海洋>【本】まぐろ土佐船
遠洋漁業と南極海捕鯨と。小学館ノンフィクション大賞受賞作品。

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- FENV  MES(10):●自然と環境 未来への海図26・南極海 - 
+-00437  2001/10/31  島の娘           海洋>【本】>まぐろ土佐船


- FENV MES(10):●自然と環境 未来への海図26・南極海 - #00437 MGH00047 島の娘 海洋>【本】>まぐろ土佐船 (10) 01/10/31 23:05 00003へのコメント 【タイトル】 まぐろ土佐船 【著  者】 斎藤健次 【発  行】 小学館 【発行年月】 2000年12月20日(2001年4月10日第5刷発行) 【ページ数】 386頁 【判  型】  【定  価】 本体1500円+税 【ISBN】 ISBN4−09-379220-8 【種  別】 ノンフィクション 【分  野】 漁業・遠洋漁業・捕鯨 【検索キー】  【目  次】    序 章    第一章 新漁場へ    第二章 初航海    第三章 転落事故    第四章 補給・転載    第五章 赤道アンゴラ沖    第六章 別離    第七章 疲労困憊    終 章     あとがき 【コメント】  第七回小学館ノンフィクション大賞受賞作品。  今年8月9日に亡くなった、「土佐の一本釣り」などで知られる青柳裕介さん によって漫画化され、すでに第一巻が出ています。第二巻の10回分は、10月10 日から「ビッグコミック」に連載とのこと。  著者は、3度乗り込んだマグロ漁船での体験をまとめています。  もともとライターで、食い詰めて転身し、結果的にはその時の体験を綴るこ とでこの賞を受賞することになったと書いています。体験すれば誰にでも書け るというものではないでしょうが、しかし、乗り合わせた船が良かったのかも しれません。  【分野】のところに、「漁業」のほかに「捕鯨」と書いておいたので、「?」 と思ったかと思います。その理由をこれから書きます。  著者が乗り込んだマグロ漁船の漁労長は、山田勝利さんといって、現在高知 県室戸市議。元、極洋捕鯨の捕鯨船で通信士をなさっていた方です。  家業のスーパーを営みながら、クジラウォッチングのガイドもしています。  そんなこんなで1988年から存じ上げているのですが、断片的に聞いていた山 田さんのお話が、この本によってまとまりをもって見えてきました。そして感 じたことは、帯カバーに盛り込まれているコピーは、著者や山田さんたちが体 験したことを、なにやら演歌的な部分でだけ切り取って見せているような気が しました。  最初、タイトルに惹かれて書店で探したのですが、ちょうど在庫切れ(増刷 中)だったので買いそびれたままにしておいたところ、用事があって山田さん に電話した際、「まぐろとさぶねよ、読んでよ!」と、いわれたので、そうだ った忘れていたわいと買ってきたわけです。開いてびっくり、山田さんの船の ことだったんだ!  斎藤さんは1978年から1984年までの間に三度まぐろ船に乗ります。三度目の 航海は、1981年11月に出航し、戻ってきたのは1984年の1月末。出航だというと きになって、日米マグロ摩擦の影響で、向かうはずだったメキシコ湾漁場に入 れなくなってる。そのまま、行く先々、期待したようにマグロが捕れなくて、 漁場を転々とさまよう。(このころはもう、枯渇の時代に入っていた)  漁労長の山田さんはとうとう倒れてしまい、ウルグアイのモンテビデオで緊 急入院。危機をとりあえず脱出した後、死ぬなら室戸で、という気持ちで、飛 行機で戻る途中、飛行機の窓から見えた眼下の山並みの荒涼とした風景に、海 の資源の枯渇がダブったと言います。  クジラの話をしてくれるとき、そんな話を聞きました。  2001年1月28日の毎日新聞「今週の本棚」欄がこの本を取り上げた記事がWeb で読めるようになっています。最後のところが、この本の帯に欠けていた部分 を補っています。http://www.mainichi.co.jp/life/dokusho/2001/0128/07.html  追い追い確かめてみますが、山田さんが捕鯨船を下りたのは、1976年の協同 捕鯨設立の頃(すなわち、大洋漁業、日本水産、極洋捕鯨が、独立して捕鯨 部門を支えきれなくなり、水産庁の音頭取りで統合し一社になったとき。計3000 人いた社員を半分に削って仕切直した)だったはず。それからマグロ船に乗っ て、その船に斎藤さんが乗り込むことになる。山田さんが航海公開中に倒れて 室戸に戻り、快復したのが85年ごろ。そして88年4月には、鯨者連が小笠原で日 本初のホエールウォッチングを行って、全国にひろがるクジラブームに火が付 き、山田さんとのご縁が生まれた、と。    この本の受賞を機に、地元高知新聞が昨年12月に「勇者の黄昏 土佐マグロ 戦記」という連載をし、現在Webでも読めるようになっています。(担当の依光 記者は、1988年当時室戸支局勤務。)http://www.kochinews.co.jp/  直にお会いしたことのある人に、他人の筆を介して出会い直すというのは、 曰く言い難いものがあります。  産直運動などでよく、「顔の見える関係」といいますが、こと水産物(それ も養殖ではなく)となると、顔の見える相手が死の危険に近いということや、 過剰漁業の現場にいる、という現実がとても生々しく感じられます。  「そんなに無理して捕ってきてもらわなくてもいいよ」と、ほどほどを願う 気持ちが出てきます。ところが、スーパーで切り身だけみてると、どうしても 「もう少し安くないと」なんて思ってしまう。  ま、そんなこんなで、マグロ資源の枯渇に思いを馳せつつ、読んで欲しい一 冊です。 【紹介】島の娘
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