制度>【本】住民投票 客観民主主義を超えて
住民投票のこれまでと、これからを、一望できる本。
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+-839 2000/11/28 猫が好き♪ 制度>【本】住民投票 客観民主主義を超えて
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#839 SDI00600 猫が好き♪ 制度>【本】住民投票 客観民主主義を超えて
(14) 00/11/28 22:55 011へのコメント
【タイトル】 住民投票
【サ ブ】 客観民主主義を超えて
【シリーズ】 岩波新書
【著 者】 今井一
【発 行】 岩波書店
【発行年月】 2000/10/20
【ページ数】 211p+資料7p
【判 型】 新書
【定 価】 660円+税
【ISBN】 ISBN4-00-430693-0 C0231 \660E
【種 別】 解説書
【分 野】 政治・市民参加
【目 次】 まえがき
I 住民投票とは何か
1 選挙と住民投票
2 さまざまな住民投票
3 どうすれば住民投票を実現できるのか
II 実践する主権者
1 巻町以前〜住民投票への胎動
2 新潟県巻町〜原発拒否への長い道のり
3 岐阜県御嵩町〜暴力に立ち向かった人々
4 沖縄県〜県民の意思と国家の意思
5 沖縄県名護市〜裏切られた民意
6 兵庫県神戸市〜大都市住民の挑戦と限界
7 徳島県徳島市〜グラウンドに降りた市民たち
III 住民投票のこれから
1 住民投票の意義はどこにあるか
2 住民投票の法制化へ
あとがき
主な参考文献一覧
表 住民投票の実施を求める主な動き
【コメント】
著者は「住民投票立法フォーラム」の事務局長。
住民投票について、実現したところ、実現しなかったところ、それをさまざ
ま調査してまとめたものと思われる概説書です。研究書と言うほど詳しくはあ
りませんが、意義や動きをざっと眺めるにはちょうどよく、入門書としての出
来はいいし、手軽でもあります。
まあ、住民投票にも多角的な位置付けがあり得るわけで、その「狙い」とい
うあたりについては網羅的・総花的で、いまひとつ絞り込めてません。
おれはまあ、現時点では(あくまで、現時点では)、住民投票というのは、
間接民主主義システムである代議制が機能不善に陥ったときに、代議員たる議
員に喝を入れ、あるいは引導を渡すための道具という意味あいが強いと、感じ
ています。少なくとも、なんでもかんでも住民投票で決めましょうみたいな直
接民主主義に耐えられるほど、日本の市民社会は成熟していないんじゃないか
という気がするため(*1)。
そういう意味では、「住民投票が、いま、どのように機能し得るのか」につ
いてのつっこみが甘くて、視点がさだまらない印象を受けました。もっとも絞
り込む必要があんのかっつうと、ないような気もするんだけどね。
*1 現時点では、住民投票というのは希なことで、だから特別なハレのもの
であり、住民投票をめぐって市民が盛り上がれるんだと思う。
しかし、本来ならばそうそう頻繁に起こるもんじゃなくて希なことで、
ハレのものであるはずの選挙が、ここまで轟沈しているわけで。
住民投票が一般化したとき、果たして日本の市民社会は、その都度盛り
上がれるほどには成熟しておらんのではないか、という疑問があるわけ
だね。もっともまぁ、「盛り上がれるかどうか」は、制度の問題じゃな
くて運用の問題だから、それが選挙だろうが住民投票だろうが、盛り上
がることは可能なはずである、とは言える。
ただ、住民投票の機能をどこに求めるかとかいうことを考えるにしても、少
なくともある程度は「住民投票って、何なのか」ということを知っておかない
と考えようがないように思う。そういった知識を仕入れるという観点から言う
と、本書は「特定の機能・位置付け」を押し付けていないとも言えるわけで、
入門書としてはこの方がいいのかな、とも思います。
あともうひとつ。
本書は、読んでいると、それなりに元気が出る本です。あちこちでがばって
る人々がいるというのを知るのは、おれにとっては気分が良いことだ。
ただ現実にはまあ、もっと深いところで、住民投票の実現に向けてはわけわ
かんない障害が山ほどある。この本を読んで元気になっただけでは、おそらく
その障害には立ち向かえない。紙幅の制限や本書の狙いを考えるとあまり文句
も言えないんだけど、なんか「つっこみが足らない」というような印象は禁じ
得なかった。
読者が、「こんなに住民投票というのは爽やかなものなんだ」みたいな印象
にとどまらず、その「わけわかんない障害」にまで思いを寄せてくれるのなら
ば、たぶん、それが正しい読み方だろうとか思いました。
【紹 介】 猫が好き♪ PEH01124@nifty.ne.jp, nekosuki@jca.apc.org
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