開発>沖縄名護市海兵隊新基地計画
国際自然保護連合から勧告。日米政府も基本的に勧告に同意。

・自然環境フォーラム電子会議に登録された発言を、自然環境フォーラムが整形したものです。

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- FENV  MES(15):●自然と環境  未来への海図25・北極海 - 
+-771  2000/10/15     猫が好き♪        開発>沖ヘリ>日米政府もIUCN勧告案に同意

- FENV  MES( 6):◆PressRoom04 環境問題プレスリリース - 
+-917  2000/10/11  猫が好き♪        NACS-J>IUCNアンマンレポート (1) 10/05
  +-918  2000/10/11  猫が好き♪        NACS-J>IUCNアンマンレポート (2) 10/06
  +-919  2000/10/11  猫が好き♪        NACS-J>IUCNアンマンレポート (3) 10/07
  +-920  2000/10/11  猫が好き♪        NACS-J>IUCNアンマンレポート (4) 10/08
  +-921  2000/10/11  猫が好き♪        NACS-J>IUCNアンマンレポート (5) 10/09
  +-922  2000/10/11  猫が好き♪        NACS-J>IUCNアンマンレポート (6) 10/10


- FENV MES(15):●自然と環境 未来への海図25・北極海 - #771 SDI00600 猫が好き♪ 開発>沖ヘリ>日米政府もIUCN勧告案に同意 (15) 00/10/15 15:28 155へのコメント ・共同通信 10/05 09:08 国際自然保護連合が総会 愛知万博予定地保全も議論  予告記事です。 ・読売新聞 10/11 11:13 国際自然保護連合、普天間移転でアセス勧告 ・時事通信 10/11 12:09 実質的な基地建設見直し要求=普天間移設問題で環境団体声 ・時事通信 10/11 12:22 ○普天間移設計画で希少動物の保全措置を=国際自然保護連合 ・時事通信 10/11 12:40 ジュゴン保護、前向きに検討=中川官房長官 ・朝日新聞 10/11 13:01 沖縄・名護市沖のジュゴン保護を決議 国際自然保護連合 ・NHK  10/11 14:11 普天間代替施設建設でジュゴン保護勧告 官房長官 政府とし ・NHK  10/11 14:11 普天間基地代替施設建設でジュゴンの保護を勧告 国際自然保 ・時事通信 10/11 14:58 自然環境への影響、極力抑制を要望=沖縄県知事 ・日本自然保護協会のIUCNレポート(プレスリリース会議室に掲載)  勧告案採択。  勧告案は、紆余曲折の末、ジュゴン保護のための勧告書と、ヤンバルクイナ やノグチゲラのための勧告書があわせわざで1本化され、日本自然保護協会・ 世界自然保護基金日本委員会・日本野鳥の会・エルザ自然保護の会・野生動物 救護獣医師協会・日本雁を保護する会の6団体共同提案となった模様。  この勧告案の提出に到る前に、関係当事者による事前すりあわせを行うよう IUCN側より要請があり、そのすりあわせには日本政府代表や合衆国政府代表も 参加。  合衆国政府代表団からは、海洋保護庁海洋保護センターのスタッフが参加、 きちんとした環境アセスメントを行うよう要請があり、急遽環境アセスメント に関する前文がつけくわえられた(日本側にしたら裏切られたような気分なん だろうなあ)。また、ジュゴンが「Endanger Species Act(ESA) の保護種であ る」という確認も得られた(偶然童子さん、喜びなはれ)。  結果としては以下。  ジュゴンについては、「日本が自主的な環境アセスメントを実施し、米国も 求めがあれば協力して実施する。環境アセスメントの結果をもとにして、ジュ ゴンの生存を確実にするための適切な措置をとることを日米両政府に求める」 という内容となった。  やんばるについては、環境アセス法の対象とはならないそうですが、「(日 本政府のヤンバル地域の)調査に基づき、軍事施設と演習計画による環境への 影響を評価し、これにもとづいてノグチゲラ、ヤンバルクイナの生存を確実に するために適切な措置をとることを日米両政府に求める」という内容で確定。  なお、採択では、日本政府・アメリカ合衆国政府は、棄権したそうです。ま あここで賛成票を投じたら勧告の無条件受入れ表明だし、事前のすりあわせで 合意しておいて反対票を投じるわけにもいかないし、というあたりの慣習的処 理でしょう。  これは、IUCNからの勧告案ではあるが、事前すりあわせの段階で日米両国政 府も参加し合意した上で提出されたものであるため、事実上の政府公約と看做 して良いものと思われます。ま、「自主的な」環境アセス、という表現あたり にはかなりの不安もありますけど、合衆国基準での環境アセスが行なわれなけ ればそれはそれでモメる理由にできますから。  この勧告を受けて、中川秀直官房長官は11日の記者会見で、「普天間代替施 設協議会でジュゴンの予備的調査を行う。保護策の在り方については調査結果 を早期にとりまとめ、よく検討していきたい」と述べたとのこと。  これまで、なにがなんでもジュゴンの調査は行わずに事態をやりすごしたい、 としてきた日本政府側の姿勢変更と言えます。
- FENV MES( 6):◆PressRoom04 環境問題プレスリリース - #917 SDI00600 猫が好き♪ NACS-J>IUCNアンマンレポート (1) 10/05 ( 6) 00/10/11 11:13 028へのコメント  日本自然保護協会NACS-JのWebより、許諾を得て転載します。 ===== 出典:http://www.nacsj.or.jp/database/iucn/iucn-report.html IUCN(国際自然保護連合)関連 特集「アンマン・レポート」 ●レポート:NACS-J常務理事・吉田正人●  ヨルダンの首都アンマンで開かれているIUCN世界自然保護会議の会場から、 白熱した討議の模様をお伝えします  10月4〜11日にヨルダンの首都アンマンで、国際自然保護連合(IUCN) の世界 自然保護会議が開催されます。世界自然保護会議は、IUCN総会をかねて、 3年 に 1度開かれ、会員団体のほか国連環境計画、ユネスコなど世界の自然保護関 係者、2000人以上が集まり国際的な自然保護問題が議論されます。日本に関し ては、ヤンバルクイナ・ノグチゲラ・ジュゴンの保護、海上の森の保全に関す る勧告案が審議される予定です。この特集では、会議に出席しているNACS-J吉 田常務理事による現地レポートを、リアルタイムに掲載していきます。 * 出典:http://www.nacsj.or.jp/database/iucn/iucn-report-1.html IUCN(国際自然保護連合)関連 特集「アンマン・レポート」 【10月5日】 本会議スタート ●レポート:NACS-J常務理事・吉田正人●  昨日夜の開会式に続いて、今日から本格的な「第2回世界自然保護会議」が、 ヨルダンの首都アンマンの国立競技場で始まった。ホテルから会場に向うバス の中から見る中近東の代表的都市は、まるで砂漠にカラーコーディネートした かのように、砂色のビルで埋め尽くされている。その中で唯一、国立競技場は、 マツやイトスギなどの緑に囲まれていた。   8時に会場に着き、レセプションに向う。途中、英国田園委員会のフィリッ プス氏、IUCN保護部長のマクニーリー氏、国際アフリカゾウ保護基金のオリン ド氏、モンゴル自然保護協会のツェツェドルジ氏、台湾国立公園協会の張会長 など、たくさんの知人に会い、なかなか受付にたどりつけない。  受付では、事前登録の領収証を見せ、名札とたくさんの書類を受けとると、 今度は発言カードの列に並び、本会議で発言するときのカードを受けとる。こ れまでは、ただの白い紙だったが、今回からはICチップが埋め込まれたクレジ ットカードサイズのカードに変わった。発言するときにマイクのついた機器に 差し込むと、団体名がスクリーンに映し出される趣向のようだが、国際会議も 年々やりかたが変わり、少しブランクがあると着いてゆけなくなる。最後に投 票カードの受け付けに並び、日本自然保護協会の公印を押した会員資格証明書 を見せる。IUCNの投票権は、この会員資格証明書を持参するか、参加できない 場合には 8月までに投票代理人を記入してファックスする。国内の10団体が 出席できないため、代理人に私を指名して資格証明書をファックスしたので、 私は11枚の投票カードを手にすることになった 。"You are the busiest man" という係の人の言葉とともに。   9時からは、インタラクティブセッションと題して、10月5日、7日にわたっ て、今回の会議のメインテーマである「エコスペース」をめぐって12の分科会 が開かれる。しかし同じ 9時から、沖縄のジュゴン、ヤンバルクイナ、ノグチ ゲラの勧告案に関する日米関係者の討論が行われることになったので、勧告案 の提案団体である WWF-Jの花輪さんとNACS-Jの私は、分科会はやめて勧告案の 討論に参加することになった。討論会場には、沖縄の自然保護団体の方たちも 10人近くつめかけていた。  まず、IUCNのSSC(種の保存委員会)から、今回の討論の趣旨が説明される。 日本の自然保護6団体(WWF-J、NACS-J、日本野鳥の会、エルザ自然保護の会、 日本雁を守る会、野生動物救護獣医師協会)から、沖縄のジュゴン、沖縄のヤ ンバルクイナ、ノグチゲラの 2つの勧告案が出されていたが、近い場所のこと でもあり、また勧告の対象も日米両政府なので、2つの勧告案を1つにまとめて ほしい。また、本会議でディベートをする前に、日米両政府と NGOが話し合っ て採択できる案にしてほしい、という趣旨である。これに対して、WWF-J の花 輪さんから、すでに 1つにまとめた案を用意してあるので、これをもとに話し たいと提案があった。日本政府側(外務省地球規模問題課高橋課長、環境庁計 画課小野寺課長)もこれに同意。米国政府側は、この時点ではまだ到着してい なかった。  まず前文から一つひとつ検討をすすめる。  沖縄のジュゴンに関して、「(辺野古地区における)空港計画が現計画のと おりすすめられれば」という文に、日本政府から「まだ具体的な計画はできて いない」という物言いがついた。私が離日する10月4日の朝日新聞に、2000mの 滑走路を持った軍民共用の飛行場の計画が発表されていたので、その記事の切 抜きを示して反論すると、「それはあくまでも県の要望であって、国としては まだ決めていない」とのこと。最終的には、「もしこの地域に空港が建設され れば、・・ジュゴンの生息地として重要な辺野古沿岸のサンゴ礁と藻場を破壊 することになる」という表現に落ち着いた。 写真:沖縄の勧告案に関する日米両国政府との討論のようす    http://www.nacsj.or.jp/img/report1.jpg  ここで米国政府側が到着。米国海洋保護庁の海洋保護センターのエイミー・ ブラティナムさんが、「きちんとした環境アセスメントを実施してほしい。ま た米国としても、ジュゴンは米国の『絶滅のおそれのある種の保存法』の指定 種なので、日本政府と共同して調査をすることが必要だと考えている」と発言。 急遽、環境アセスメントに関する前文が付け加えられたり、日本政府に要望す る項目と米国政府に要望する項目とに整理しようという提案が行われたりして 、本文には大幅な変更が加えられた。そのため日米両政府とも本国に問い合わ せをする必要が生じ、明日の昼、討論が続行されることになった。  勧告案は、10月7日午後6時から8時(日本時間10月8日午前1時から3時)に行 われる全体会議に諮られる予定。海上の森の勧告案は、修正案の要求がどこか らもでていないため、この時間に採択されることはほぼ確実。沖縄の勧告案も、 米国政府がジュゴンの保護に積極的なので、この時間に採択される可能性が強 いが、もつれこんだ場合には、10日の午後6時から8時の時間帯になる。  昼は、本会議場で、次期 3年間の理事立候補者の立会演説会があったため、 昼食も食べずに聞きに行った。何しろ11団体の票を預かっているので、責任重 大だ。アフリカ、中南米、北米カリブ、南・東アジア、西アジア、オセアニア、 東ヨーロッパ・北・中央アジア、西ヨーロッパというブロックごとに、 3名ず つの理事を選ぶわけだが、 3人しか立候補していない地域もあれば、11人も立 候補している西ヨーロッパのような激戦区もある。日本を含む南・東アジアブ ロックからは、インドから2人、バングラデシュから1人、フィリピンから1人、 中国から 1人、そして日本から赤尾大使(元地球環境担当大使)が立候補して いる。  午後は、インタラクティブセッションの第1分科会「大きな視点から〜山岳、 河川、流域の生態系管理」を聞きに行った。「大きな視点(BigPicture)」と は何のことかというと、要するに、狭い保護地域のことだけ守ればよいという のではなく、山から川から海まで、流域全体の保全という広い視点にたって、 21世紀の自然保護をすすめようとするものである。午後の発表者は、中米の保 護地域をつなぐコリドー、南部アフリカ諸国の国境をまたぐアフリカゾウのた めのコリドー、オーストラリア東海岸の森林保護区をつなぐコリドー、北極を とりまくコリドーなど、コリドー(回廊)の話題であふれていた。  最後にWCPA(世界保護地域委員会)の委員長のフリップス氏が、「本日の分 科会で私たちは共通の合意に達した。それは21世紀は厳正に守る保護区だけで はなく、保護区をとりまくバッファーゾーン、トランジッションエリア、農村 景観など、外側に目を向けてゆかなければならない。それにはエコロジカルな 視点、環境保護の視点に、社会的な視点、経済的な視点、文化的な視点、環境 安全保障の視点を加え、また関係者のパートナーシップが必要になる。そのた めには、言葉の定義の混乱、コミュニケーションギャップ、組織の壁を越えな くてはならない。解決のキーとなるのは、政治的なリーダーシップ、ビジョン の共有、パートナーシップの形成、資金調達、フレキシブルでアダプティブな 戦略である。厳正に保護する聖域から、景観全体へ視点を広げよう」としめく くった。これはまさに白神山地の入山規制問題から、瀬戸市の海上の森の保全 利用の問題まで、私たちが直面している問題に対する方向性を指し示すもので ある。  明日は全体会議における、 3年間の予算決算、事業報告事業計画の審議があ るが、午前中は近くのホテルで、世界遺産条約に関する非公式な会議があると 聞いたので、午前はそちらに出て、昼は沖縄の勧告案の討論会に出る予定。午 後は全体会議に戻るが、終了は午後 9時というハードスケジュールの会議であ る。
- FENV MES( 6):◆PressRoom04 環境問題プレスリリース - #918 SDI00600 猫が好き♪ NACS-J>IUCNアンマンレポート (2) 10/06 ( 6) 00/10/11 11:13 917へのコメント  日本自然保護協会NACS-JのWebより、許諾を得て転載します。 ===== 出典:http://www.nacsj.or.jp/database/iucn/iucn-report-2.html IUCN(国際自然保護連合)関連 特集「アンマン・レポート」 【10月6日】 「保護のために、『危機に瀕した世界遺産リスト』にのせるべき」 〜世界遺産会議から〜 ●レポート:NACS-J常務理事・吉田正人●  今朝、ホテルからタクシーに乗ったところ、渋滞もクラクションの洪水もな く、いやにスムーズに走っている。運転手から「お休みですか?」と聞かれた ので、「いえ、ビジネスです」と答えたら、「じゃあ、いつ休みですか?」と 聞かれた。「日曜日ですよ」と答えたら、「へえ、そうですか?」と来た。会 場に着いてから、リコンファームのため、何度か航空会社に電話するが、呼び 出し音がむなしく鳴るだけ。そういえば、会場の国立競技場に小学生くらいの 子供たちの姿がたくさんみえる。そこでようやく、運転手との会話を思い出し た。イスラム社会では、金曜日が休日だったのだ!お隣のイスラエル(ユダヤ 社会)では、土曜日が休日。日曜日が休日なのは、キリスト教社会の風習だ。 運転手は、私たちが日本人と知った上で、仏教社会(もしくは神道社会)では、 何曜日が休日なんだろうという興味からあの質問をしたのであった。「日曜日 ですよ」という答えはいささか彼をがっかりさせたようである。いっそのこと、 「日本人の休日は盆と正月だけ」と言ったほうが、彼の期待に添った答えであ ったかもしれない。  閑話休題。  今日の世界自然保護会議は、IUCNの会員総会を兼ね、1996年のモントリ オール会議から昨年までの3年間の事業報告・決算報告というちょっと退屈な 議題である。近くのリージェンシーパレスホテルで、ユネスコとIUCNが主催し て、「危機に瀕した世界遺産リストの役割〜世界自然遺産保全の国際協力を推 進するために」と題する会議があると聞いたので、そちらに顔を出すことにし た。  ホテルのペトラルーム(インディージョーンズの撮影で有名になったあのペ トラの遺跡からとった名前だ)に行くと、ユネスコ世界遺産センターの自然遺 産チーフのイシュワラン博士、IUCNの自然遺産チーフのシェパード氏、元IUCN 保護地域委員委員長で世界遺産センター自然遺産担当もしたアイズビック氏な ど、かつてNACS-Jが世界遺産条約キャンペーンを繰り広げたときに来日した、 なつかしい顔がそろっていた。  ヨルダンのユネスコ国内委員会の挨拶に続いて、まずIUCNのシェパード氏、 ユネスコのイシュワラン氏から、「危機に瀕した世界遺産リスト」に関するプ レゼンテーションがあった。  世界遺産条約には、自然遺産・文化遺産のリストがあり、日本では白神山地・ 屋久島、法隆寺・姫路城などが登録されていることは、誰もが知っている。し かし、危機に瀕した世界遺産リストというもうひとつのリストの存在は、一般 にはあまり知られていない。これは、世界遺産リストに掲載された自然遺産・ 文化遺産の状態をモニタリングし、戦争・災害などなんらかの理由で、危機に 瀕した状態になっていることがわかった場合、国際社会の注意を喚起し、保全 のための国際協力を促すためのリストである。もともと、世界遺産条約は、ア スワンハイダムに沈むヌビアの遺跡を国際協力で守った経験などから生まれた 条約なので、危機に瀕した世界遺産という発想は最初から念頭にあったのであ ろう。このリストには、エクアドルのサンガイ国立公園、インドのマナス国立 公園など、開発途上国の世界遺産があげられているが、イエローストーン国立 公園、エバーグレーズ国立公園など、米国の国立公園もリストに入っている。 イエローストーンは国立公園内の採掘問題、エバーグレーズはハリケーンによ る自然災害がその理由である。  IUCNのシェパード氏は、「危機に瀕した世界遺産リストに挙げられることを 不名誉なことだとネガティブにとらえずに、保全のための国際協力を促すため の機会としてポジティブにとらえよう」と呼びかけた。またユネスコのイシュ ワラン氏は、「危機に瀕した世界遺産リストは、世界遺産リストから登録抹消 する際のプロセスでもあるため、当事国の承認を得にくい。また文化遺産の場 合、観光のイメージを損なうため、たいへん困難をともなう」と述べた。例え ばネパールの首都カトマンズは、町そのものが世界遺産となっているが、これ を危機に瀕した世界遺産リストに入れようとするとたいへんなことになる。何 しろ、危機に瀕した世界遺産は英語では、"World Heritage in Danger"なので、 リストに挙げられると「危険な町」という烙印を押されてしまうことになるの だ。 写真:IUCNとユネスコが主催して開いた「危機に瀕した世界遺産リスト」の会    議の様子    http://www.nacsj.or.jp/img/report2.jpg  続いて、危機に瀕した世界遺産を管理する各国の関係者から、次々と発表が あった。エクアドルの環境大臣からは、アンデス山脈のサンガイ国立公園が、 危機に瀕した世界遺産リストに挙げられた経緯の説明があった。  西海岸とアマゾン地域をむすぶ道路が国立公園を横断して建設され、野生動 物の密猟や不法な放牧が広がったため、環境省と公共事業省とが話し合い、道 路工事で破壊した場所のミティゲーションを行うとともに、国立公園を道路の 南側に拡大し、2倍の面積とすることを決めた。これも、1992年に危機に 瀕した世界遺産リストに登録して、それを外圧にして、環境省が公共事業省と 交渉した結果である。  ブラジルのペドロ氏からは、アルゼンチンとの国境に位置するイグアス国立 公園が、100万人をこえる観光客と不法な道路開削のために危機に瀕した世 界遺産リストに登録し、観光管理計画や地元の人々に対する環境教育計画など を作成している事例が紹介された。ここでも、観光のイメージダウンを心配す る外務省や、地元への利益誘導を図る政治家と、環境省が戦うための武器とし て、危機に瀕した世界遺産リストが使われていた。  クロアチアのプリビチ国立公園は、16の湖と100の滝を有する140平 方キロメートルの地域だが、1991年からの内戦で入り口の町や国立公園内 のホテルも破壊され、国立公園がどのような状態になっているかがまったくわ からない状況になってしまった。国連平和維持軍の協力でユネスコの査察チー ムが現地調査を行った結果、公園施設も破壊され、公園に生息する数十頭のク マも銃の標的にされて危機的な状況になっていることがわかった。さっそく1 992年には危機に瀕した世界遺産リストに登録されたが、内戦状態のため当 事国の承認を得ずに登録されたのは、はじめてのケースだという。  午後からは、危機に瀕した世界遺産リストに登録することを選ばなかった地 域からの発表があった。  オーストラリアのカカドゥ国立公園の場合、公園内にぽっかりと空いた未指 定地にウラニウムを採掘するジャビルカ鉱山がある。オーストラリアには原子 力発電所はないので、ここで採掘されたウラニウムは、日本に輸出される。ウ ィルダネス協会をはじめとするオーストラリアの自然保護団体が、国立公園内 の生態系が河川を通じて汚染されるとしてオーストラリア政府に働きかけたが 採掘は止まらない。そこでIUCNやユネスコに調査を依頼し、その結果に基づい て危機に瀕した世界遺産リストに登録すべきかどうかが、1998年に京都で 開かれた世界遺産委員会で議論された。  世界遺産委員会では、6ヶ月以内にオーストラリア政府が、採掘が国立公園 に影響を与えないということを証明できなければ自動的に危機に瀕した世界遺 産リストに登録するという決定をした。しかし、オーストラリア政府の強烈な 巻き返しによって、危機に瀕した世界遺産リストへの登録は見送られた。  ウィルダネス協会のアレックス氏は、「オーストラリア政府は、世界遺産条 約を弱める働きをした。その上、IUCN国内委員会への補助金を減らすなど、NGO との協力関係をもないがしろにしている。当事国政府の同意がなくても、 NGO の提案で危機に瀕した世界遺産リストに登録できるようにすべきだ。」と怒り をぶちまけた。  エクアドルのガラパゴス国立公園は、大航海時代のヤギの放逐にはじまる、 移入種の問題に頭を悩ませている。陸上はほとんど国立公園となっているので、 ヤギの駆逐など固有種を守る活動が続けられているが、海中公園の指定がなか ったため、海は漁師たちの自由になっていた。1992年にはじめて見つかっ たペピーノ(ナマコ)は、1994年には600万の水揚げを記録するほど増 殖し、すっかり海中の生態系を混乱させてしまった。1994年の世界遺産委 員会では、ガラパゴス国立公園を危機に瀕した世界遺産リストに載せる勧告が 出された。しかし世界に誇るガラパゴスが、危機に瀕した世界遺産リストに載 るとなれば、観光のイメージダウンどころか、政府の責任が問われる事態とな る。国内の、マスコミがこぞってこの問題を報道し、国会でも議論になった結 果、1998年にガラパゴス諸島特別法が成立し、海洋も含めて海中公園化を はかり、漁業調整などの措置がとられることになった。危機に瀕した世界遺産 リストへの登録は行われなかったが、登録勧告が積極的な保全策を引き出した 成功例であるといえる。エクアドルの環境大臣が、「もし当事国政府がリスト への登録を同意するまで待っていたら、誰も負けはしないが誰も勝利しない状 況が生まれていただろう」と述べたのが印象的であった。  昼休みには、昨日の続きの沖縄のジュゴン、ヤンバルクイナ、ノグチゲラの 保護に関する勧告案の討論が行われたので国立競技場に戻った。普天間基地の 移転に伴う飛行場の建設に関して、ジュゴンの生息地の保全や調査の実施につ いては、日米両政府ともに勧告案に同意しているが、「環境アセスメントの実 施主体は日本政府であって、米国政府は協力を要請されたときに共同調査を行 う」など、米国側ができる限り責任を回避できる文に変更しようと試み、その 調停案ができるたびに本国に問い合わせをしているため、なかなか本文がまと まらない。今日もようやく最終案ができたと議長と握手して別れてきたが、米 国側が本国の了承が得られず、また振り出しに戻りそうだ。  10月7日夜の採択はまったく見込みがたたなくなった。あいにく明日から は土日祝日が続き、日米本国との連絡がとれないため、調整ができるのは10 月10日夜の採択の直前になりそうだ。朝の出来事を思い出して、「日本やア メリカも、金曜日が休日のイスラム社会だったらなあ」と思った。  なお海上の森の勧告案は、修正意見がないため、原案のまま、10月7日夜 の会議にかけられる。しかし、10月6日の総会では、すべての決議・勧告を 一通り全員に図り、原案通り、修正案作成に分類しているので、採択そのもの は10月10日夜(日本時間11日早朝)になる可能性も強くなってきた。  明日(10月7日)は、朝8時からアジア地域会合、9時からインタラクテ ィブセッション、12時から会長、監事、理事、委員長の選挙方法の説明と投 票、14時からインタラクティブセッションの続き、18時から21時まで決 議・勧告の審議の続きとなる。長い一日となりそうだ。
- FENV MES( 6):◆PressRoom04 環境問題プレスリリース - #919 SDI00600 猫が好き♪ NACS-J>IUCNアンマンレポート (3) 10/07 ( 6) 00/10/11 11:14 917へのコメント  日本自然保護協会NACS-JのWebより、許諾を得て転載します。 ===== 出典:http://www.nacsj.or.jp/database/iucn/iucn-report-3.html IUCN(国際自然保護連合)関連 特集「アンマン・レポート」 【10月7日】 「南・東アジア地区の地域委員会設立の提案」 「沖縄の自然環境に関するNGOと日米両政府との話し合いは留保」 ●レポート:NACS-J常務理事・吉田正人●  本日は、いつもより早く 、7時45分にホテルを出て、タクシーで国立競技場 に向う。ホテルの前から、国立競技場までの間、あちこちにパトカーが停車し ている。「今日はやけにパトカーが多いね」と尋ねると、「そうさ、ご丁寧に あちこちで車をとめて、いろんなことを聞いてくれるよ」と迷惑顔。実際、国 立競技場に入ると、3回も停車を命じられた。   8時に会場に着く。まずは団体名を言って、ピジョンボックスをチェックし てもらうことから一日が始まる。ピジョンボックスとは、名前の通り、伝書鳩 の巣のように並んだ郵便箱で、ここに新しい書類のほか個人あてのメッセージ も入っているので、こまめにチェックすることが必要だ。また今日は、IUCN会 長、理事、委員長などの選挙があるので、込み合わないうちに早めに投票用紙 配布の窓口に行って受けとる。投票用紙といっても、会長、監事、6つの委員 会の委員長、7つの地域の理事について、1ページずつの用紙があるため、15 ページの冊子になっている。私は、日本自然保護協会だけでなく、出席できな かった10団体の代理投票も行うため、分厚い投票用紙の束をドサッと渡された。   8時15分にアジア地域の会員会合に出る。IUCN副会長の堂本暁子参議院議員 の呼びかけによる会合で、最初は数人しかいなかったが、 8時30分を過ぎるこ ろには、30人を超えるメンバーが続々と集まってきた。皆、ピジョンボックス に入っていた案内の手紙を見た人たちだ。IUCN韓国委員会のチョイ委員長が近 づいてきて、「今回は北の人も来ているんだよ」と嬉しそうに、朝鮮民主主義 人民共和国自然保護連合のオ・ミョンソク博士を紹介された。私の隣に座った のは、ベトナム環境庁のツロン・マンティエン次官だ。参加者は、韓国、北朝 鮮、モンゴル、中国、香港、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、イン ドネシア、バングラデシュ、インド、ネパール、パキスタンとさまざまな顔ぶ れだ。これだけの自然保護関係者が一堂に会するのは、世界自然保護会議なら ではのことだ。  堂本副会長の司会で議事が始まる。IUCN規則61条と62条には、IUCN国内委員 会および地域委員会の設置規定がある。日本はアジアでもいちばん早く国内委 員会を設置した国であり、「世界自然保護戦略」がIUCNから発表された1985年 にIUCN日本委員会が設立された。初代の委員長は古賀忠道(WWFJ)、2代目が 池ノ上容(海中公園センター)、3代目が沼田眞(NACS-J)、そして今年から 奥富清(NACS-J)が委員長をつとめ、事務局はNACS-Jが引き受けている。韓国 の国内委員会は、昨年、ソウルでIUCN北東アジア会合を開いたときに設立され たばかりだ。他の東アジアの国には国内委員会はない。 写真:アジア地域会合のようす    http://www.nacsj.or.jp/img/report3.jpg  堂本副会長の提案は、IUCNは世界を7つのブロックに分けているが、地域委 員会がないのは、南・東アジアだけなので、ぜひこの機会に地域委員会を作り たいという趣旨だ。今朝は時間が限られていたため、地域委員会のフレームワ ークとメンバーを決めて終わった。実にやっかいなことには、アフリカ、オセ アニアなどのように、地域の境界が比較的はっきりしている地域はよいが、ア ジア地域はIUCNの規則で3つのブロックに分けられている。パキスタン以西は 「西アジア」。モンゴルやウズベキスタンなど中央アジアの国は「東ヨーロッ パ・北ユーラシア」。インドから日本までが「南・東アジア」である。また中 国が国家会員になっているため、「一つの中国」の原則で、台湾の団体(台湾 国立公園協会など)は世界自然保護会議に参加しているのに会員にはなれない。 また東アジア保護地域会議では、モンゴルも東アジアに入っているのに、会員 のブロックでは北ユーラシアというのも違和感がある。とりあえず地域委員会 は、IUCNの規則どおりに、南・東アジアを範囲とし、必要に応じて開く地域フ ォーラムはもっと柔軟にモンゴルや台湾の人も入れることになった。  9時からは、一昨日に続いて、6つのインタラクティブセッションが開かれ た。私は第7分科会の、「生物多様性に関する知識を広げるために」に参加し た。この分科会は、IUCNの教育コミュニケーション委員会(かつては環境教育 委員会と言っていた)が主催したものだが、環境法委員会、種の保存委員会な どほかのプログラムの関係者も、発表者として参加していた。また、インター ネットをつかって、いかに効果的に環境問題の情報を共有するかが議論された。 たとえば、ドイツのボンに本部を置くIUCNの環境法センターは、国連環境計画 (UNEP)との協力により、絶滅のおそれのある種の国際取引に関するワシント ン条約などの国際条約や各国の国内法に関するデータベースを、エコレックス というウェブサイトで公開している(http://www.ecolex.org)。また、種の 保存委員会は、イギリスのエジンバラに本部を置く世界自然保護モニタリング センター(WCMC)の協力で、絶滅のおそれのある種のデータベースを、レッド データブック(RDB)のウェブサイトで公開したところ、先週は1日に100万回 のヒットがあったという(http://www.redlist.org)。  12時から、IUCN選挙に関する説明があるというので、総会会場に行った。 有効な選挙権の総数の発表などのあとで、議長から、「このあとで大切なお知 らせがあります。席を立たずにお聞きください。バードライフインターナショ ナルの総裁である、ヨルダンのノア王女がこの会場に来られ、鳥類のレッドデ ータブックを発表します」との発表があった。なるほどこれで今朝の厳重な警 備の理由がわかった。まもなく、バードライフインターナショナルの役員やヨ ルダン王立鳥類保護協会の会長とともに、ノア王女が登壇し、ヨルダンの国歌 が流れる。参加者は敬意を表し、国歌が終わるまで起立する。ヨルダン王立鳥 類保護協会の会長の挨拶に続いて、王女みずからが鳥類のレッドデータブック の意義を説明する。「世界の鳥類の状態は、世界の環境の指標でもあります。 私たちは、この美しい惑星を開発し、種を絶滅に追いやってきました。この本 に示された種を回復するために、あらゆる努力を惜しまず、鳥たちにとっても、 私たちにとっても、子供たちにとってもよりよい環境を作ってゆきましょう」 とノア王女は締めくくった。鳥類のレッドデータブックによると、世界の鳥類 の絶滅の速度は歴史時代に入る前に比べて500倍になっており、1175種 の鳥類が絶滅のおそれのある状態となっている。  12時30分から5時まで、IUCN会長、理事、監事、委員長の投票が行われ る。一人しか候補者のいない、会長、監事などは、YES、NO、保留のいずれか に Xマークをつける(○ではないので紛らわしい)。1人の定員に、2人が立 候補している委員長選挙の場合は、一番好ましい候補者に2、二番目の候補者 に1を記入する(一番に1をつけるのではないのでこれも紛らわしい)。3人 の定員に、4人以上が立候補している理事選挙の場合は、一番好ましい候補者 に3、二番目の候補者に2、三番目の候補者に1を記入する(3人の定員に3 人しか立候補していない場合は、X をつけるのでこれも紛らわしい)。すべて において、記入のしかたがわかりにくい選挙だが、これに加えて、早朝に配っ た投票用紙にアフリカの理事選挙のページが抜けているものがあるというトラ ブルがみつかり、投票用紙の交換を行うなど、選挙は混乱を極めている。私は、 日本自然保護協会の投票以外に、10団体の代理投票を依頼されているので、 記入だけでも30分以上かかり、昼食を食べそこなってしまった。選挙管理委 員会から、開票の立会いを依頼されていたので、夕方、開票の手伝いに行った。 まず、国家会員、 NGO会員ごとに、投票箱をあけて、50票ごとの束にして、 ホチキスをはずして、会長、理事、監事、委員長など15の選挙用紙の山を作 る。そこから、無効票、有効票にわけて、有効票の集計をしてゆくわけだが、 案の定、アフリカのページのない投票用紙や、Xのところに数字を書いたり、 数字のところにXを書いた票がいくつかあり、この投票方法の難しさを感じた。  2時から、沖縄のジュゴン、ヤンバルクイナ、ノグチゲラに関する日米両政 府との話し合いを行う。10月6日発で勧告案がまとまったと説明したが、環 境アセスメントの実施などについて、米国代表が本国に確認をとるので待って ほしいと留保して[ ]がついたままとなっている。米国のタウンゼント女史は、 「国家会員と NGO会員の立場の違いをわかってほしい。国家会員の方針は、関 係官庁や議会などあらゆる機関に関係するので、確認がとれるまで待ってほし い。その結果は、(月曜日が日米とも休みのため)火曜日にならないいとわか らない」と説明したが、沖縄の自然保護団体の人たちは、「ここまで歩み寄っ てきたのに、火曜日になって合意できない回答が返ってきたらどうするのか」 と政府代表への不信感をつのらせる。勧告案の採択のデッドラインは火曜日の 夜である。火曜の昼にもう一度話し合いを持つことで散会したが、IUCNの決議 勧告委員会のテントに出向き手続きを確認すると、「勧告案の修正の期限は月 曜日の午前中まで、それを過ぎると翻訳や印刷が間に合わないので、火曜の夜 の本会議でフロアーから直接説明してもらうしかない」ということであった。  6時から、本会議で勧告案が議論される。決議・勧告は、IUCNの運営に関す るもの、国際条約や複数の国に関係するもの、国内の自然保護問題の3つに分 類されているが、沖縄、海上の森の2つの決議案は、最後の国内の自然保護問 題に入っている。今日はいよいよ、沖縄、海上の森の決議案が紹介されるはず であったが、IUCNの運営に関する決議、国際条約などに関する勧告までで3時 間を使い果たし、今日も国内の自然保護問題に関する勧告案の審議には入れな かった。続きは、月曜日(10月9日)の午前8時から、ということになった。
- FENV MES( 6):◆PressRoom04 環境問題プレスリリース - #920 SDI00600 猫が好き♪ NACS-J>IUCNアンマンレポート (4) 10/08 ( 6) 00/10/11 11:14 917へのコメント  日本自然保護協会NACS-JのWebより、許諾を得て転載します。 ===== 出典:http://www.nacsj.or.jp/database/iucn/iucn-report-4.html IUCN(国際自然保護連合)関連 特集「アンマン・レポート」    【10月8日】      「"世界最低"の自然保護区を訪問」     ダナ自然保護区     ●レポート:NACS-J常務理事・吉田正人●  今日は世界最低の自然保護区を訪ねてきた。と言ったら、きっと入場料を高 く吹っかける自然保護区とか、ひどい食事を出す自然保護区だと思われること だろう。  アンマンから南に下ると、ヨルダンの主要産業の一つであるセメント工場が 見えてくる。そこを過ぎると T字路があり、そこがダナ自然保護区の入り口で ある。とくに高いところまで上った覚えがないのに、渓谷の底は、はるか下に 見える。 写真:ヨルダン王立自然保護教会のタレット氏    http://www.nacsj.or.jp/img/report5.jpg  世界自然保護会議のエクスカーションの参加者を乗せたコーチは、自然保護 区の入口でストップし、まず王立自然保護協会のタレット氏から、自然保護区 の概要をうかがう。ダナ自然保護区は、アンマンの南 200kmほどに位置する面 積 310平方キロメートルの自然保護区で、1993年に王立自然保護協会の自然保 護区となり、1998年にはユネスコの生物圏保存地域にも登録されている。  砂岩が雨に削られてできた特異な景観を有し、ヨーロッパからアフリカにわ たる渡り鳥のルートにあたっているため、鳥類の数もたいへん多い。また渓谷 の斜面に張り付くように、イスラム教を信仰するダナの人々が生活している。 家は木と土で作られており、砂色をしているので、あれがダナの村だと言われ なれば気がつかない。モスクの塔は、都会では派手な空色をしていたが、ここ では砂色をしていた。家々の周りには、棚田のように、段々畑が作られている。  生物圏保存地域は、自然保護と人々の持続的な生活の両立をめざしており、 王立自然保護協会は、ダナの村人が自然保護区の中で持続的に生活してゆける よう、ビジターセンターではダナの人々のクラフトを販売するとか、レストラ ンでは地元の産物を使うなどの工夫をしている。  自然保護区の入口からは、20人ほどが乗れるシャトルバスに乗り換え、ビジ ターセンターに向う。シャトルバスといっても、TOYOTAのトラックにベンチを つけ、ほろをかけただけの簡単なもので、ドアには王立自然保護協会のシンボ ルマークであるアラビアオリックスが描かれている。ダナの人々がすむ自然保 護区の中に、大型のバスが入り込んで、静かな生活が乱されることのないよう に配慮している。  ビジターセンターで、シャトルバス(トラック)を降り、ここからはさらに 小さなグループに分けて、ガイドがついた徒歩の散策となる。私は、バードウ ォッチングを楽しむグループに入れてもらった。グループの大きさは10人まで と言われた。  自然保護区の入口までは60人乗りのバスで来たとしても、そこから20人乗 りのシャトルバスに乗り換え、ビジターセンターからは10人ずつの徒歩グルー プに分ける。道もこれにあわせて、舗装道路、舗装していない道路、散策路と いう具合に変化し、保護区内の自然や村の人々の生活に与える影響を軽減して いる。  私は、愛知万博検討会議で、東京の高尾山の例をあげて、アクセスを少しず つ不便にすることによって、来訪者の数を制限し、自然への影響を軽減する方 法を提案したが、この保護地域ではもうすでに、案ではなく現実のものになっ ている。 写真:ダナ自然保護区    http://www.nacsj.or.jp/img/report4.jpg  ダナ村を後にして、渓谷の対岸にあるキャンプサイトに向う。ここでも、渓 谷を見下ろすビューポイントまではバスで行けるが、そこからは例のシャトル バスに乗り換え、キャンプサイトに着く。キャンプサイトは定員が75名で、そ れ以外での野営は禁止されているので、この自然保護区で美しい星空を楽しむ ことができるのはわずか75名というぜいたくさである。キャンプサイトからは、 また小グループに分かれ、徒歩で散策する。  キャンプ場から、少し歩くと砂の地層が雨で削られてできた巨大な土柱の群 れが見えてきた。中国の桂林にも似ているが、石灰岩ではなく、砂岩でできて いる。米国から来た人は、ザイオン国立公園に似ているといっていた。バスを 降りたところからは相当下ったはずなのに、はるか下に平野が見える。王立自 然保護協会のガイドに、「あのあたりは標高どのくらいですか?」と聞いてお どろいた。海抜マイナス400mだという。つまり、山が侵食されて渓谷ができた のではなく、平野が侵食されてこの渓谷ができたのである。この渓谷に降った 雨は(実際にはほどんと降らないが)、塩分が濃いことで知られる死海に流れ てゆく。  だからこの自然保護区は、「世界でも最低の場所にある自然保護区」なので ある。渓谷に沈む夕日を見ながら、ダナ自然保護区を後にした。
- FENV MES( 6):◆PressRoom04 環境問題プレスリリース - #921 SDI00600 猫が好き♪ NACS-J>IUCNアンマンレポート (5) 10/09 ( 6) 00/10/11 11:14 917へのコメント  日本自然保護協会NACS-JのWebより、許諾を得て転載します。 ===== 出典:http://www.nacsj.or.jp/database/iucn/iucn-report-5.html IUCN(国際自然保護連合)関連 特集「アンマン・レポート」 【10月9日】 沖縄の勧告案は日米で合意、 海上の森の勧告案は「捕鯨」が絡み採択延期 ●レポート:NACS-J常務理事・吉田正人●  今日は月曜日。ホテルから国立競技場に向うタクシーは、渋滞に巻き込まれ て、いつもの倍の時間がかかった。運転手に聞いたら、ヨルダンでは、金曜日 と土曜日が休日。そのほか、日曜日も休日のところがあるので、仕事はじめの 月曜日は道が込むのだそうだ。  8時から、本会議場では、5日と7日のインタラクティブセッションの報告 がはじまった。第1分科会、第7分科会については、すでにご報告したが、第 10分科会の「バイオダイバーシティビジネス」は興味深かった。コンサベー ションインターナショナルなどの米国の自然保護団体は、熱帯雨林を守るため に、地元の人々が森林を伐採したり密猟したりせずに、熱帯林からの産物を使 った産業で生計が立てられるようにするプログラムをすすめている。この分科 会では、民間企業が寄付のような形で自然保護に貢献するだけではなく、企業 活動そのものを通じて、生物多様性が保全されるという次の段階を目指した議 論が行われていた。  9時30分からは、いよいよ沖縄と海上の森の勧告案の審議がはじまる。沖 縄については、WWF の花輪さんがコメントを用意していたが、決議・勧告委員 会の委員長が「本件は、沖縄のジュゴンとヤンバルクイナ・ノグチゲラの2つ の勧告案を1つにまとめたものですが、文章については一部検討中なので明日 にまわします」の一言で終わってしまった。  海上の森の勧告案の審議に入り、議長からコメントを求められた。まず私か ら「日本のNGO7団体を代表してこの勧告を支持します。最初の勧告案は 2月15 日に提出され、BIE からのアドバイスもあって、住宅計画・道路計画が中止さ れ、愛知万博検討会議を設置して、市民をまじえた検討が行われた。私たちは この決断を歓迎する。しかし、愛知万博の民主的なプロセスは、いまだ検討会 議の中に限られており、海上の森の法的な保全措置もまだであることから、現 状に合わせて書き換えられたこの勧告を引き続き審議していただくことになっ た。この勧告を採択してくださるよう、会員の皆さんにお願いします」とコメ ント。次に外務省の高橋課長が、「日本政府は、自然の叡智をテーマに、2005 年国際博覧会を準備してきた。環境に配慮し、検討会議を通じて、会場を大幅 に縮小した上で、9月にBIEへの申請を行った」と、日本政府の立場を説明。  コンセンサスで採択されるかに見えたところで、思わぬところからとんだ横 槍が入った。アメリカの野生生物防衛基金、ブラジルの法律家協会が、「海上 の森の保全には賛成する。しかし、IWC の約束を破り調査捕鯨の枠を拡大する 日本で、環境に関するイベントを成功させる決議を出すことには反対する」と いうのである。続いて水産庁が、「捕鯨の問題は、資源保全の問題であって、 自然保護の問題ではない」と発言し、江戸の仇を長崎で討つような具合になっ てきた。議長が、「この件については、関係者で話し合い、明日審議します」 と発言し、採択は延期された。  会議後、アメリカの野生生物防衛基金、ブラジルの法律家協会と話し、「海 上の森の問題は、捕鯨とはまったく関係がないではないか。ここで調査捕鯨の 問題を持ち出すのはフェアではない」と主張したが、議論は物別れに終わった。 明日も彼らが、コンセンサスによる採択に反対すれば、投票による採択に持ち 込むしかないだろう。  4時からは、沖縄の勧告案について、米国代表が本国からの返事をもらい、 それをもとに最終的な話し合いに入った。ジュゴンについては、「日本が環境 アセスメントを実施し、米国も求めがあれば協力して実施する。環境アセスメ ントの結果をもとにして、ジュゴンの生存を確実にするための適切な措置をと ることを日米両政府に求める」という文案で、日米両政府も NGOも異論がなか った。ヤンバルについては、環境影響評価法の対象にはならないので、誰が調 査しどう保全するのかが明確でなかったが、「(日本政府のヤンバル地域の) 調査に基づき、軍事施設と演習計画による環境への影響を評価し、これにもと づいてノグチゲラ、ヤンバルクイナの生存を確実にするために適切な措置をと ることを日米両政府に求める」という文に落ち着いた。最後になって、米国側 が英語としてもわかりやすい積極的な文案を出してきたことで、4回にわたる 交渉を続けてきた沖縄の勧告案は関係者の間では合意ができた。あとは明日の 審議を待つばかりである。
- FENV MES( 6):◆PressRoom04 環境問題プレスリリース - #922 SDI00600 猫が好き♪ NACS-J>IUCNアンマンレポート (6) 10/10 ( 6) 00/10/11 11:14 917へのコメント  日本自然保護協会NACS-JのWebより、許諾を得て転載します。 ===== 出典:http://www.nacsj.or.jp/database/iucn/iucn-report-6.html IUCN(国際自然保護連合)関連 特集「アンマン・レポート」 【10月10日】 速報 沖縄・海上の森保全の勧告案、採択される ●レポート:NACS-J常務理事・吉田正人●  世界自然保護会議は、10日午後9時(日本時間11日午前4時)、以下の 2つの勧告を採択した。 ○沖縄のジュゴン、ヤンバルクイナ、ノグチゲラの保全について (前文省略) (本文) 第2回世界自然保護会議は、 1、日本政府に対して、 a)ジュゴンの生息域の内外における軍事施設建設の自主的な環境アセスメント  をすみやかに実施することを求める b)ジュゴンの減少を防ぎ、回復をはかるための保全策をすみやかにとることを  求める c)ヤンバルの希少種を含む生物多様性とジュゴン個体群の保全計画をすみやか  にたてるとともに、これらの種と生息地の詳細な調査を実施する d)ヤンバルの世界遺産指定を検討する 2、米国政府に対して、 a)日本政府の求めがあれば、自主的な環境アセスメントに協力することを求め  る 3、日米両政府に対して、 a)自主的な環境アセスメントの結果に基づき、ジュゴンの個体群の生存を確実  にする適切な方法をとることを求める b)1cの調査結果を考慮し、軍事施設および演習計画が環境に与える影響を評  価し、これにもとづいて、ノグチゲラ、ヤンバルクイナの生存を確実にする  適切な方法をとることを求める (コメント) 採択にあたって、日本政府(外務省)は、ジュゴン生息地の環境アセスメント を実施することを約束。米国政府も、日本政府と協力して、調査を実施し、ジ ュゴンの保全のため最大限の努力をすることを約束した。 □ ○海上の森の保全について (前文、省略変更なし) (本文) 世界自然保護会議は、 1、BIE が2005年に日本国愛知県で開催される国際博覧会が、環境に配慮した   方法で実施されるよう、日本政府に対して引きつづき適切なアドバイスを   行うことを求める。 2、日本政府が、海上の森の自然を将来にわたって保全するため、国営里山公   園の設置を含む具体的な措置を講じることを求める。
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