原子力>本日のお散歩・JCOに行ってきた
果たして原子力は、実用化が可能な種類の技術なんだろか?


・自然環境フォーラム電子会議に登録された発言を、自然環境フォーラムが整形したものです。

- FENV  MES(12):●自然と環境 未来への海図22・南極海 -
#598  99/12/13 02:23  核>臨界事故>本日のお散歩 JCOに行ってきた
#602  99/12/16 17:15  RE:核>臨界事故>本日のお散歩 JCOに行って
#620  99/12/22 21:42  RE:核>臨界事故>本日のお散歩 JCOに行って


- FENV MES(12):●自然と環境 未来への海図22・南極海 - #598 SDI00600 猫が好き♪ 核>臨界事故>本日のお散歩 JCOに行ってきた (12) 99/12/13 02:23 310へのコメント  みなさんお元気ですかあ。そういうわけで本日のお散歩は、臨界事故10キロ 圏内にしました。えー、実は全然別件でちょっとお誘いがあって日立方面に行 くことにしたんですが、その別件が終わったあとに「せっかくだから JCOも見 に行きましょう」ということになりまして。名前出しちゃっていいかどうかわ からないのでとりあえず伏せますが、どうもありがとうございました。 *  でだ。  え〜。現場に行ってみて思ったのですが、ほんっと「ごく普通のところ」で 事故が起きたのですねえ(=^_^;=)。いやーもう笑っちゃいました(=^_^;=)(笑 った理由はすぐ後に書くから、笑っちゃったという感想を理由にいちいち怒ら ないでくれぇ(=^_^;=))。まあ「市街地」つうにはちょっと閑散としているか なとは思ったものの、周囲に民家はあるし、いろんな事業所とかもあるし(産 廃処理業者なんかもあった)、ゴルフ練習場もあるし(=^_^;=)。うちんちあた りとたいして変わらない風景ですねえ。  でもって、振り返って考えてみると、うちんちの近所に唐突に建ってる工場 が何やってるのかなんかおれはあまり意識してないし、JCO にしても動燃みた いにマークされてた施設じゃなかったわけで、「隣は何をする工場ぞ」みたい な感じだったのはよくわかりました。  そういうところにいっきなし無防備原子炉が出現しちゃうんだもんなあ。こ こまで日常的な風景の中でそんなもんが登場しちゃうというのは、現地の方々 には申しわけないと思うんだけど、やっぱ怒りとか恐怖とかいうよりも先に、 もう笑うしかないと思いました。ええと、そのくらいに日本の原子力産業の状 況は情けないものなんだなあと、そういう感想だったわけです。 *  ほんでええと、車の中で話をしていたことをちょっと書くと。  こういうことを言うと怒るひといそうな気がするんだけど、先端技術として の原子力は、おれはまあ過去にはそれなりに事故もあったけども、現段階では そこそこ安定しているという気がしています。技術という意味では、やぱしあ んまし危険なものだとは思ってません(だからね、ここだけ読んで起こらない で欲しいのね。最後まで読んで怒るかどうかを決めてくれ(=^_^;=))。  ただ、なんでもそうだけど、トップランナーの力と、後続者の力というのは、 違うものなんですよ。  そして、技術が、技術そのものが自己目的になっているようなレベルから脱 して実用技術になる段階で、実用の範囲で参加する人々は、決してトップラン ナーとしての力を持っていないわけです。トップランナーの力量があるひとだ けが関係している間はなんとかなったとしても、自覚なき後続者が単なるお仕 事として受け持つようになった段階で、モラルハザードは絶対に生じることに なる。  それは、何も原子力で始まった話じゃないわけです。たとえばの話が、いま 自動車というのは、おおむね誰でも乗れる道具になってます。誰でもが乗れる ようなもんではなかった時代には、さほど危険なものではなかった。だけど誰 でもが乗れるようになったら、えらい危険なものになってしまった。  自動車では例が良くなければ、飛行機を考えてみましょう。ちょっと前のSF では「エアカー」なんてのがよく登場してきてて、要するにあれは誰もがヘリ に乗って移動できるような時代がそのうちに来るだろうって話だった。でも、 いまはそれなりのプロフェッショナルが操縦しているから飛行機やヘリという のはあの程度しか落ちないんであって、もしこれが自動車なみに誰もが乗るよ うになったら四六時中そこらじゅうで衝突したり操縦をミスったり酒酔い運転 があったりして落ちてるはずなわけです。  あ、自動車事故や飛行機事故と原子力事故が同レベルとか思ってるわけでも ないので、ここらへんにも怒らないでくれえ(=^_^;=)。  で、今回の臨界事故って、要するにその状況をはっきり見せてくれたものな のではなかったのかなあ、と。  ウランやプルトニウムを一定量まとめたら臨界(核分裂反応)が起きるって ことくらいは、おれでも知ってることなわけですよ。おれは原子力は全然専門 ではないのだけど、原子炉や原爆の原理くらいは知ってて、そこらへんから、 ウランやプルトニウムを一定量以上まとめたらやばいってことくらいは、知っ てるわけです。どのくらいの質量をまとめちゃったらやばいのかというのは知 りませんが(ウランよりプルトニウムの方が臨界量が少ないということくらい は知っているが、何キロ集めたらヤバいのかは知らない。プルトニウムで8キ ロくらいだったっけ?)、とにかくまあ、そのくらいのことはおれにとっては 常識だったわけです。  しかし現場で実際にウラン扱ってるやつがそれを知らず、全然気にしておら ず、大量に一ヶ所に集めちゃったってのは、それはいったいなんなんだ、と。  それって、トップランナーがやるべき作業を、自覚なき後続者が単なるお仕 事として受け持つようになったことによるモラルハザードではなかったのかと おれは思ったのでした。  んで、そのモラルハザードを制度として組織としてきっちり処理できるよう な人智がない間は、そんな危ないもんを実用化しちゃいけないのだし、いまの ところそういう人智はないし、そういう人智を築ける可能性もないような気が する。原子力に関しても、これまで幾多の安全宣言があって、だけど次々にそ れが破られていったわけで、そういう「モラルハザード」の問題だということ はもうはっきりしているという気がするわけです。まあ、これはいまさら言う べきことではなくすでにいろいろと指摘しているひとびともいるわけだけど、 でもおれは技術的な問題や放射性物質の危険性とかいう問題よりも、このモラ ルハザードの問題のがでかく、こわいような気がした。 *  なんかね。  すっげえありがちな風景の中に、さほど違和感なく存在している工場の中で、 ああいう事故がおきたという「日常性」みたいなやつね。それは、本来ならば その技術、その可能性には、触れてはならないレベルのその分野に関しては無 能なひとびとが、その技術を支える部分に参加している、ということの象徴の ように思われたのです。  スリーマイル島原発事故でも、運転員は原潜の原子炉担当者かなんかで、決 してトップランナーではなかった。チェルノブイリも同じ。そういった事故と 今回の事故には、同じ構造があるんだろうなあと思いました。で、事故が起き ていないところにも、同じ構造はいっぱいあるんだとも、思いました。  JCO の正面玄関で、これみよがしに記念撮影をしながら、おれはそんなこと を考えてました。中性子線がとびかってた場所にいるという恐さより、「その 技術を御し得ないひとびとが、そこでその技術を扱っている」ということの恐 さの方を、より強く感じたのでありました。  やっぱりそれは、すげえこわいことだった。 PS JCO あたりを見にいったのはもう夜だったので、どーせ写真はそれなりの   ものでしかないでしょう。いちおう三脚つけて露出はあわせたけど、構内   の街灯と暗闇のコントラストがきつすぎて、フィルムにはちゃんと写って   ないと思う。   こんどは昼間にでも行ってみたいと思います。ついでに東海港とかもまだ   見てないんで、そのあたりもまとめて、また行きましょう。
- FENV MES(12):●自然と環境 未来への海図22・南極海 - #602 SDI00872 YAMASAKI RE:核>臨界事故>本日のお散歩 JCOに行って (12) 99/12/16 17:15 598へのコメント  なんかあっちこっちで「怒らないでくれえ」とエクスキューズが入っているのでよ ほどとんでも無い話が書いてあって誰かが怒らないといけないのかと、怒るべく場所 を探したのだが見つからなかった。(=^_^;=)  高純度プルトニウム239の正確な臨界質量は機密事項なので実は公には知られて いないのであった(=^_^;=)だからわかりません。一説には「金属プルトニウムで4キ ロ」とかいわれているけれど日本で確かめたわけではない。理論的には計算で出ます が理論と実際は必ずしも一致しないのは自明のこと。  なお、金属プルトニウムではなく硝酸プルトニウム溶液となるとぐっと臨界量は減 って、グラム単位になります。これは硝酸溶液中の水が減速=反射材として機能する ためです。  というぐあいに単に臨界質量といっても条件を厳密にしないととてつもなく違った 数値になります。当然核兵器材料であるプルトニウム239が100%となると機密 度も最高になるので詳細なデータは公表されていません。  日本でも100%どころかある程度高純度プルトニウムの臨界量に関する詳細なデ ータは持っていないはずです。ではどうして再処理工場工場が建てられるかというと、 基礎データは臨界データとして公表されていて、そのデータには理論値が記載されて いるのでそれを十分下回れば臨界に達しないことになっているのと、東海再処理工場 の基本設計はフランスのSGN社がやっているので、こっちは核兵器級プルトニウム の臨界データも持っているから設計できるというわけ。  六ヶ所村の再処理工場も同様。  となると、本当に日本の原子力開発の現場にトップランナーがいたかどうかという と、ゼロではありませんが希薄ですね。ま、一握りと言っていいんじゃないかな。  臨界の専門家というと東大の鈴木篤之教授ですが、彼も世界水準から見ればトップ といえるかどうか疑問ですね。今回の事故が臨界事故だとすぐに見抜けませんで、新 聞紙上なんかで懺悔しているようですが、そんな姿を見ると哀れにさえ感じます。  トップといえたとしたら産業技術の部分であろうと思いますが、それも今は全体的 に色あせています。  猫が好き♪さんが言っているような話は、実は原子力開発利用長期計画の策定議論 で推進側から繰り返し出てきています。いままで問題なくできてきたことが、ここに きて次々に破綻し始めてきていることを説明するに便利だからだろうと思います。  そういうことがあるということ自体は否定しませんが、本当の原因がそこなのかど うかについては慎重に考えています。 YAMASAKI (SDI00872)
- FENV MES(12):●自然と環境 未来への海図22・南極海 - #620 SDI00600 猫が好き♪ RE:核>臨界事故>本日のお散歩 JCOに行って (12) 99/12/22 21:42 602へのコメント  日本国内にトップランナーがいたのかどうかというと、まああんましいたよ うな気はしないんですけどね(=^_^;=)。  いやーたとえばの話がだよ、原子力船舶で言うならば、サバンナ(*1)やオッ トーハーン(*2)あたりの船ならば、まだ原子炉運転技術って意味ではそれなり のトップランナーが勤務してたと思うの。だけどこれがレーニンあたりになっ たらどうかっつうとけっこう怪しくて(*3)、ぼこすか作られた軍用原子力艦の 原子炉運転技術となるともうむちゃくちゃ怪しいと思うんだよ(*4)。  *1 アメリカ合衆国船籍の原子力客船。  *2 旧西ドイツ船籍の原子力貨物船。鉱石運搬船ではなかったか。  *3 旧ソヴィエト連邦船籍の原子力砕氷船。なお、ソヴィエトの原子炉管理    が怪しいのはトップランナーがどーのって話ではないかもしれない。  *4 スリーマイルアイランド原発であわやメルトダウン事故ってときにおた    おたしてたのは原潜出身者。  ま、たとえ話で言えば、基礎技術開発と量産技術開発の違い、みたいなもん でしょうか。基礎技術としては確立されたとしても量産技術が確立されてない ものは、実用化し得ない、みたいなもんだねえ。  ほんで、原子力推進側が似たようなことを言っているのだとすると、それは 今後頑張れば、民生技術として安定させられるという前提で言っているのだと 思います。民生技術として安定させられるという前提を置けば、推進論として も使えるでしょうね。  でも、民生技術として安定させることが根本的に不可能である、という前提 を置けば、原子力廃止側の主張の根拠にもなるんでないでしょうか。  ほんでおいらとしては、「そんなハイエンドな管理技術を持つ者を集めるこ とができるのか」という一点で、原子力の実用化は無理だってのがそろそろバ レてきたってことではないかと見ているわけです。 *  だいたいさ、「破綻があったらえらいことになる」と思ったら、その恐さが わかるようなひとは、普通はそういう現場から逃げますぜ。破綻があったらど んなふうに恐いのかがわからないひとしか原子力の現場には残らない、という 方向に来てしまってはいるような気がする。  ほんとはまぁ、そういうこわさがわかるひとにこそ中に残っててもらいたい ものなんだけども、なんぼ「辞めるな、粘れ」つーてもこわいと思ったひとは やめてきちゃうもんなあ。しみじみ救いがないぞ。 PS 写真があがってきましたが、梶山静六氏だっけ、自民党の政治家、10キロ   圏内にある彼の事務所の写真なんかもあったりしますな。常陸太田・常北   太田駅至近の場所です。いやあこれがでかい事務所でなあ。ま、いいんで   すけど。

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