社会制度>オランダで核廃棄物輸送禁止の決定
手続きを厳密に適用(オランダ法専門家の助力求む)
・自然環境フォーラム電子会議に登録された発言を、自然環境フォーラムが整形したものです。
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+-573 99/12/06 21:35 猫が好き♪ 制度>オランダ最高裁が核物質輸送禁止判決
+-575 99/12/07 00:45 てらまこ RE:制度>オランダ最高裁が核物質輸送禁止
+-576 99/12/07 00:58 猫が好き♪ RE:制度>オランダ最高裁が核物質輸送禁止
+-579 99/12/08 17:18 YAMASAKI RE:制度>オランダ最高裁が核物質輸送禁止
+-583 99/12/08 21:14 てらまこ RE:制度>オランダ最高裁が核物質輸送禁止
- FENV MES(12):●自然と環境 未来への海図22・南極海 -
#573 SDI00600 猫が好き♪ 制度>オランダ最高裁が核物質輸送禁止判決
(12) 99/12/06 21:35 011へのコメント コメント数:1
・共同通信 11/30 08:31 核廃棄物輸送禁止を支持 オランダ最高裁
・朝日新聞 11/30 23:46 オランダ最高裁、放射性廃棄物の輸送許可無効の判決
共同通信によるとオランダ最高裁は、朝日新聞によるとオランダ最高行政裁
判所は(*1)、グリーンピースが起こしていた放射性廃棄物の輸送許可の取り消
しを求める訴訟に関して、政府側敗訴の判決を言い渡した。
*1 イギリスを除くヨーロッパを主とする「大陸法」系の国家では、行政事
件を扱う「行政裁判所」を持っている。日本には行政裁判所という概念
はないから、まあどっちも間違いではない(正確には、概念そのものが
ないわけではない)。
問題の核廃棄物は、1997年に閉鎖されたドーデバルト原子力発電所の使用済
み核燃料のことらしい。
オランダ政府は、この使用済み核燃料をイギリスのセラフィールド核燃再処
理工場に輸送していた。
グリーンピースは、この輸送に際する手続きの上で、「許可証に輸送理由の
記載がない」「輸送ルートを公開しておらず、近隣住民が輸送禁止を求めて提
訴する権利を奪った」として、輸送の禁止を求めて提訴していた(*3)。
*3 えーと、記事からはこのあたりの詳細がよくわかりません。まあ結果と
しては輸送禁止を求めていたんでしょうけど。
裁判所が許可証の無効を宣言したことで、オランダ政府は許可証の不備を修
正して再発行し、同裁判所の判断を仰がなければならなくなったそうで、この
結果5ヵ月程度の遅れが生じる可能性があるという。
*
ネタそのものは原子力関連ですけど、法廷闘争の実例紹介であり、また海外
の裁判所の動向を示す事件なんで、「制度」に持ってきました。
えー、おれ大陸法は全然だめなんだけど(というかもう法学そのものがだめ
になりつつあるんすけど)、行政裁判所って基本的には三権分立のうちの司法
権の管轄ではなくて行政権の管轄なんだよね。で、「行政権の範囲内で行政事
件を扱うのは、公平性が疑われる」とする指摘もあったりする。
にもかかわらずこういう判決が出ちゃうあたりが凄いといえば凄い。
もっとも、詳細不明なれど、単なるオランダ政府側の手続きミスの可能性も
あるような気はします。もしそうだったらかなりお間抜けな話のような気もす
るわけですが(=^_^;=)。
とはいえ、日本でこういう手続きミスがあった場合にどういう判決が出るか
を想像すると、やっぱしヨーロッパは凄いな、という気がしてきませんか。
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#575 QZL00035 てらまこ RE:制度>オランダ最高裁が核物質輸送禁止
(12) 99/12/07 00:45 573へのコメント コメント数:2
こんにちは。てらまこです。
猫が好き♪さんが発言された、
nifty:FENV/MES/12/573 へのコメントです。
> 共同通信によるとオランダ最高裁は、朝日新聞によるとオランダ最高行政裁
>判所は(*1)、グリーンピースが起こしていた放射性廃棄物の輸送許可の取り消
>しを求める訴訟に関して、政府側敗訴の判決を言い渡した。
>
> *1 イギリスを除くヨーロッパを主とする「大陸法」系の国家では、行政事
> 件を扱う「行政裁判所」を持っている。日本には行政裁判所という概念
> はないから、まあどっちも間違いではない(正確には、概念そのものが
> ないわけではない)。
日本の法律書なんかでいう「大陸法」ってフランスのことなんです
よね、大抵。それだと、たしかにコンセイユ・デタなんかも行政部
だけどね。ここらへんは国ごとに千差万別だから.....オランダは
また別形態です。
この最高行政裁判所ってユトレヒトのCentrale Raad van Beropでしょうか?
だとしたら「政控訴院」と訳されていまして、たしかにここの評決は
最高裁には限定的にしか上告できませんが、最終審ではありません。
んでもって、裁判官は15人。各部は3人の職業裁判官があたります。
んで、これは紛れもなく司法部です。社会保障裁判所や公務員裁判所の
決定に対して控訴審として機能します。これらのシステムは行政部からは
独立しています。(また社会保障裁判所と公務員裁判所には参審員制度が
とられています。政府委員は入りません。)
> えー、おれ大陸法は全然だめなんだけど(というかもう法学そのものがだめ
>になりつつあるんすけど)、行政裁判所って基本的には三権分立のうちの司法
>権の管轄ではなくて行政権の管轄なんだよね。で、「行政権の範囲内で行政事
>件を扱うのは、公平性が疑われる」とする指摘もあったりする。
猫♪さんがいう、行政部に属する行政審査機関は、各州におかれた
College van Gedeputeerde Staatenで州行政委員会と訳されます。
ここでの不服申立は国務院(Raad van State)特別部に出されます。
元の情報が日本語に適当に訳されてしまって明確でないので分から
ないんですが.....ちょっと気になるなあ。調べたけど現地情報は
まだ見つからない....(^-^;
ひょっとしてこの事件、まだ上告の可能性とかが残っていたりする
のかな?
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#576 SDI00600 猫が好き♪ RE:制度>オランダ最高裁が核物質輸送禁止
(12) 99/12/07 00:58 575へのコメント
あ、つっこみどうも。
おいらはそういうわけでオランダの法制には詳しくないので、詳しい方がお
いでになりましたらつっこみをお願いしたいと思います(=^_^;=)。
| ひょっとしてこの事件、まだ上告の可能性とかが残っていたりする
| のかな?
上告の可能性があるのかどうかという法的な見地については、できれば解明
しておきたいですね。
でも、現地政府は、もし上告できるのだとしても、手続きをさっさとやり直
すという方法で逃げるかもしれません(=^_^;=)。まあそのあたりが、現実的か
つ官僚的な対処だろうという気もします。
それでもまあ、「いいかげんな手続きでゴリ押しはできない」ということを
現地政府に突き付けたという意味はありますね。
それはそれでまだ誠実さが足りなくて情けないのかもしれないけど、でも、
そのレベルまで達しているのが世界品質だと思います。日本はまだそこまで来
てもいないからね。
ま、がんばりましょう(と、とりあえず軽やかに言っておく(=^_^;=))。
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#579 SDI00872 YAMASAKI RE:制度>オランダ最高裁が核物質輸送禁止
(12) 99/12/08 17:18 575へのコメント
ロイター電によると「The Council of State」で「country's hight court」
だそうです。
これまでもヨーロッパからの法廷情報には日本でなじみのない「コンセイユ・
デタ」とか「行政裁判所」とか出てきていて、これは一体なんだと誰に聞いても
ようわからん答えしか(あるいはわからんという答えしか)帰ってこなかったの
で、ここは一つ濃密な解説を誰かにお願いしたいものだと思います。(=^_^;=)
YAMASAKI (SDI00872)
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#583 QZL00035 てらまこ RE:制度>オランダ最高裁が核物質輸送禁止
(12) 99/12/08 21:14 579へのコメント
こんにちは。てらまこです。
YAMASAKIさんが発言された、
nifty:FENV/MES/12/579 へのコメントです。
> ロイター電によると「The Council of State」で「country's hight court」
>だそうです。
ならば、行政部に属する、
nifty:FENV/MES/12/575
>ここでの不服申立は国務院(Raad van State)特別部に出されます。
の方ですね。Country's High Courtというのは控訴裁判所とか最高裁という
意味ではなく、行政処分の不服申立てに関して最終審の判断が出たという
意味で使っているのでしょう。だから「最高裁」も「最高行政裁判所」も、
厳密には不正確ということになります。「国務院が最終審として判断した」
というのが間違いがないですね。
ということで、行政部の審査機関が出した決定だったわけですか......
(うん、行政部の判断だといった猫♪さんが正しかったな....^^;)
> これまでもヨーロッパからの法廷情報には日本でなじみのない「コンセイユ・
>デタ」とか「行政裁判所」とか出てきていて、これは一体なんだと誰に聞いても
>ようわからん答えしか(あるいはわからんという答えしか)帰ってこなかったの
>で、ここは一つ濃密な解説を誰かにお願いしたいものだと思います。(=^_^;=)
コンセイユ・デタ=フランスの行政裁判体系の中で争訟部と呼ばれるもので
Conseil d'Etatというスペルです。パリにおかれています。
全部で25庁といわれる地方行政裁判所の第二審を担当し、ここの判決に対して
は上訴はできません。行政裁判所体系には他に行政控訴院と呼ばれる上級審が
5庁ありますが、そうした行政裁判機構での法令違反や越権事件もコンセイユ・
デタが最終審として扱います。
外国で生じた争訟、大統領令(デクレ)にもとづく政府委任立法の取消訴訟、
行政行為の解釈および適法性審査、上級公務員の地位に関する訴訟について
は上訴のない第一審として機能します。
裁判所職員は全員公務員で、評議官、調査官、聴聞官で構成されます。国立
行政学院を終了した人の中から、コンセイユ・デタに直接採用される形に
なっていて、一般の公務員とは道が違います。ただし、司法裁判官のような
身分保証はありません。なんか参考にしている資料によると全部で300人くら
いの職員がいるそうです。
ちなみにコンセイユ・デタには争訟だけでなく、政府立法の立案や行政命令
の作成に協力する部門もあり、こちらは「行政諮問部」と呼ばれています。
こうした行政裁判所制度が行政部の中に置かれているのはフランス法の系統
に多いようです。同じように行政裁判所という用語を使っていても、司法部
に所属している場合もあるし、フィンランドのように下級審は行政部からの
委員を交えつつ、上級審は司法部のみでという混成型もあります。オランダ
の場合は、テーマごとに分けて、二系統あるということですね。
いわゆる専門裁判制度というか専門領域に関する司法審査をどう位置づける
かということに関する問題なんで、「こうだ!」という典型的な一般例は
あげにくいと思います。日本なんかだと ADR(裁判外紛争処理手続)で処理
する傾向が強いので、そっちに関わっていく話かもしれませんし.....
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