交通>天然ガス自動車の環境性能
自動車の環境性能を個別に解剖してみよう!
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- FENV MES(13):●自然と環境 未来への海図23・北極海 -
#593 99/11/30 18:29 交通>天然ガス自動車の環境性能
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#594 99/12/01 19:22 RE:交通>天然ガス自動車の環境性能
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#595 99/12/01 19:46 RE:交通>天然ガス自動車の環境性能
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#597 99/12/02 12:29 RE^2:交通>天然ガス自動車の環境性能
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#593 SDI01031 安藤 眞 交通>天然ガス自動車の環境性能
(13) 99/11/30 18:29 008へのコメント コメント数:2
えーと、nifty:FENV/MES/12/527 汚染>ガスを燃やすと汚染は??
を受けての発言です。
まず「汚染物質の排出」ということで。
天然ガスというのは約90%がメタン(CH4)で、約10%がエタン(C2H6)
で、その他の不純物はほとんど含まれていません。
硫黄分が入っていない(検出限界以下?)ので、SOxの排出はゼロです。
ガソリンに含まれる硫黄分は、品質基準の上限で0.005%で、排ガス中の
SOxは、確か検出限界以下だったと思います。
軽油に含まれる硫黄分は、同じく品質基準の上限で0.05%で、クルマの排
ガスよりも工場や発電所から出るSOxに較べれば微々たるものであるとい
うことで、排ガス規制の項目には入っておりません。
というわけで、「SOx排出量に関するCNG(圧縮天然ガス)車の実力
は、ディーゼル車以上でガソリン車並み。ただしCNG車が増えればSOx
が目に見えて減るというレベルではない」と言えるかと思います。
次に、排ガス規制物質(CO・HC・NOx・黒煙)を考えてみましょう。
まず、CO・HC・NOxについては、ガソリン車と同じ排ガス対策(3
元触媒・EGR)が使えますので、少なくとも「同等」にはなります。
燃焼時のことを考えますと、そもそも気体のCNGは空気と良く混ざりま
すので、不完全燃焼によって発生するCOやHCの生成は少ないですね。黒
煙はほとんどゼロです。NOxに関しても、理論空燃比が17.2と、ガソリン
の14.7より薄いので、空気過剰率が高くなって燃焼温度が下がるので、生成
は少ないと言えるでしょう。
「生成が少なく、同じ対策が使える」ということは、「同じ対策なら、ガ
ソリン車より排ガスはきれい」と言えますが、現在LEVを謳っているガソ
リン車は、規制値の1/8〜1/10になっていますので、「わざわざCNGを使
うより、ガソリン車に新しい排ガス対策を導入したほうが楽」と考えるのが
合理的でしょう。
メリットがあるとすれば、触媒が働かないエンジン始動直後のHC排出で
す。CNGのHCはベンゼンなどを含みませんから、人体への毒性や光化学
スモッグ発生に対する影響は、ガソリンから出る非メタン系炭化水素よりず
っと小さいと言われています。
最後に、CO2排出量です。
CNGの含有炭素率は、200気圧で使うとして、体積比で約11%です。
この値は、nifty:FENV/MES/13/496 にも書いた、
ガソリンの炭素含有率 = 63.64%
軽油の炭素含有率 = 72.65%
に較べると、極めて低い値です。
ガソリンと比較しても、17%足らずですね。
それじゃ、CO2排出量も17%まで減るのかというと、そうは問屋が降ろ
さないんですね(^^;。
ガソリンとCNGの単位体積当たりの発熱量を比較すると、CNGはガソ
リンの21.6%しかないんです(LNG600気圧時の発熱量5,060kcal/LをCN
G200気圧に換算しました)。
つまり熱効率が同じなら、CNG車の燃費はガソリン車の5倍も悪いので
す。というわけで、トータルで考えてCO2がどれくらい減るかというと、
11÷63.64÷0.21=0.823 とすると、約17.7%ということになります(合って
るのだろうか(^^;)。
ちなみに、3リッターのセドリックベースのバイフューエル車がCNGで
走ったときの燃費は1.4km/lだったそーな(^^;。
で、熱効率はどうなるのかというと、CNGはオクタン価が120〜136と、
ガソリンのハイオク(98〜100)より高いので圧縮比が12〜13ぐらいまでは
いけますし、もとが気体なのでみかけの吸気損失も減りますから、普通の
ガソリン車よりは高くなりそうです。
が、直噴ガソリン車と比較すると……、定量的にはわかりませんけど(^^;
感覚的には「大して変わらないんじゃないだろうか?」という気がします。
圧縮比の向上分を考慮してもいいとこ10%でしょうから、トータルで普通の
ガソリン車より27.7%良くなったとしても、直噴ガソリン車とトントンじゃ
ないかと思います。
それからCNG車の場合、もとが気体でかなりの体積を持っていますから、
実際に使える排気量がガスボリュームに食われてしまい、最高出力はガソリ
ン車よりだいぶ低くなってしまうようです。
まあ、このへんはターボで過給するとか、CNGの直噴にするとかで解決
可能かも知れませんけど。
それから、CNGの場合、高圧に耐えるために円筒形のボンベしか使えま
せんから、クルマへの搭載性が悪くなり、タンク容量に制限が出ます。それ
に加えてガソリンよりエネルギー密度が5分の1ぐらいしかありませんか
ら、航続距離もガソリン車の5分の1ぐらいになってしまいます(^^;。
というわけで、排ガス中の汚染物質や航続距離、インフラ整備、最高出力
などの特性を考えると、シティーコミューターで使う以外はメリットは活か
せないんじゃないかと思います。
えーとそれから、「エネルギー密度が低い」という点で行きますと、
CNGスタンドに燃料をどうやって供給するかということも問題になります。
パイプラインで引いてきた場合、輸送にかかるエネルギーは無視できます
が、給油(?)の際に300気圧ぐらいまで加圧してやらないと、タンクに入
っていかないんですよね(^^;。そこで、燃料を加圧するためのエネルギーが
必要になるわけです(定量的にはわかりません。ゴメン(^^;)。
そんじゃLNG(液化天然ガス)にしてタンクローリーで運んできたらど
うなるかというと、エネルギー密度が低い分、消費量が増えますから、運ん
でくる回数が増えることになります。低発熱量ベースでの比較でも、ガソリ
ンはLNGの約1.54倍ありますから、ガソリンならタンクローリー1台で済
むところを、LNGは1.5台必要になるということで、輸送のためにエネル
ギーを消費して排ガスを出すわけです。渋滞の原因にもなったりして(^^;。
というわけで、トータルで考えた場合、「CNG自動車はガソリン車やデ
ィーゼル車よりも環境負荷が小さいのか?」と問われた場合「きちんと定量
的なアセスメントを行わないとわからん。少なくとも、即答できるほどの優
位性はない」としか答えようがないようです(=^^=;。
ここまで書いておいて何なんですけど、手持ちの資料を使って慌てて計算し
たので、なんか勘違いしているところがあるかも知れませんので、間違いが
あればご指摘下さい(^^;。
このへんがジャーナリストの限界です(^^;←って、勝手に決めてる。
安藤 眞 (Ando Makoto) SDI01031
日本自動車研究者&ジャーナリスト会議会員
- FENV MES(13):●自然と環境 未来への海図23・北極海 -
#594 SDI01031 安藤 眞 RE:交通>天然ガス自動車の環境性能
(13) 99/12/01 19:22 593へのコメント
えー、ボルボV70バイフューエル(※)車の資料がめっかりました。
※:2種類の燃料タンク(この場合、ガソリンとCNG)を搭載し、
スイッチの切り替えでどちらも使えるクルマ。
■車両スペック(日刊自動車新聞社「輸入車ガイドブック」より)
全長×全幅×全高 = 4,720×1,760×1,460
車両重量 = 1,620kg
参考 1,520kg(同型ガソリン専用車)
エンジン形式 = 水冷直列5気筒DOHC
排気量 = 2,434CC
最高出力 = 122ps/5,250rpm(CNG使用時)
144ps/5,400rpm(ガソリン使用時)
参考 140ps/5,700rpm(同型ガソリン専用車)
最大トルク = 18.4kg-m/3,650rpm(CNG使用時)
21.0kg-m/5,400rpm(ガソリン使用時)←※
参考 22.4kg-m/3,750rpm(同型ガソリン専用車)
※これじゃ最高出力は158psにならないとおかしい(^^;。
回転数が間違っているものと思われます。
CNGの最大トルクはガソリン使用時の−12%(ガソリン専用車比−18%)
最高出力は同じく、−15%(−13%)ですね。
で、ここからはカタログから。
CNGでの航続距離は、80Lの燃料タンクで「200〜240km」と書いてあり
ます。走行モードは不明ですが、最良の値でも3km/lですね。
排ガスに関しては、カリフォルニアのULEV(超低排ガス車)基準に対
して、COが90%、HCが30%、NOxが60%にまで減っています。が、サ
ニーがガソリン車でもZEV(ゼロレベル排ガス車)基準を達成できること
を証明しちゃったからなぁ(^^;。
それから、ちょっと古い資料なんですが(^^;、96年の「ボルボ環境レポー
ト」によりますと、バイフューエル車でCNGを使用したときのCO2排出
量は、同型ガソリン使用時の−20〜25%ということです。
これはバイフューエルカーなので、圧縮比のアップは行われていないはず
なので、専用車にすればもうちょっと削減効果は上がる(し、航続距離も延
びる)ものと思われます。
安藤 眞 (Ando Makoto) SDI01031
- FENV MES(13):●自然と環境 未来への海図23・北極海 -
#595 QYE00420 石塚 知二 RE:交通>天然ガス自動車の環境性能
(13) 99/12/01 19:46 593へのコメント
安藤さん、こんにちは。CNG車に関する詳しい解説ありがとうございます m(_ _)m。
初歩的な質問で恐縮なんですが、取り上げられたCNG車は、小型車でエンジンメ
カはガソリンエンジンと同等(スパークプラグ着火)ですよね。
で、東京都や大阪市や一部の民間バス会社で既に採用されているCNGバスは、基
本的にディーゼルエンジンをCNG燃料で動かすようになっていたと思いますが、合
ってますよね(^_^;)。伝え聞くところでは、軽油ディーゼル車と同等の性能で NOx
や黒煙は少ないということで、東京都や大阪市では、本格導入に向かっているようで
す。ただし東京都の場合、ガス充填装置がある営業所が2〜3ヶ所しかないそうで、
一気に増やすには至らないそうですが(^_^;)。
》 というわけで、排ガス中の汚染物質や航続距離、インフラ整備、最高出力
》などの特性を考えると、シティーコミューターで使う以外はメリットは活か
》せないんじゃないかと思います。
ということで、都市の路線バスも加えて良いかもしれません。営業所へのガス充填
装置設置に補助金がつけられるならば、一気に普及する可能性はあると思います。最
近は保安基準の見直しでボンベを屋根上の巨大なフードに納めることで、ノンステッ
プ化も実現しております(ノンステップバスでは燃料タンクの位置がレイアウト上の
制約になってますから、その面でも具合が良いそうで)。むしろシティコミューター
だと、ボンベをどこに置くかがネックになりそうですね(^_^;;。
oo
| ̄= ̄| 電車がまいります
|| ̄ ̄|| 線路境界よりお下がり下さい。Manner up for us!
|  ̄ ̄ |
|o__o| by 石塚 知二 from Sengawa KEIO-Line QYE00420@nifty.ne.jp
/ \
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#597 SDI01031 安藤 眞 RE^2:交通>天然ガス自動車の環境性能
(13) 99/12/02 12:29 595へのコメント
石塚 知二 さん、こんにちは(^o^)/。
つたない説明で恐縮です(^^;。
今まで書いてきたのは、おっしゃるとおり、ガソリンエンジンベースの火花
点火自動車の話です。
で、ディーゼル化なんですけど、こっちの知識は正直言ってあんまりありま
せん(^^;。ので、知っている範囲だけで(=^^=;。
CNG(圧縮天然ガス)というのは、セタン価(※)がほぼゼロなので、
ディーセルエンジンにそのまま使っても自己着火しないのですね。で、ディ
ーゼルエンジンにCNGを使うには、火種に少量の軽油を使う「デュアルフ
ューエル・エンジン」にするしかないようです。
これには2種類の方法があって、ひとつは、CNGと空気の混合気を吸入
して、普通のディーゼルのように圧縮行程後に燃焼室に軽油を噴射して着火
する方法。もうひとつは、軽油とCNGを混合した状態で、いっしょに燃焼
室内に噴射する方法が考えられています(東京や大阪のバスがどっちの方式
かは知りません。たぶん前者じゃないかしら(=^^=;)。
※自己着火のしやすさを表す指数。高いほど、低温で自己着火する。
「自己着火」とは、温度の上昇によって発火すること。火を近づけて
火がつくかどうかは「引火点」と呼んで区別される。
たとえば、焼けたフライパンに燃料を落として火がつくのは「自己着
火」、冷めたフライパンに燃料を張って、ライターを近づけて火がつ
くのが「引火」。
軽油のセタン価は、JIS品質基準で45以上。
で、CO2排出量(=熱効率)ですが……
前者はCNGの空燃比制御のために、ガソリン車同様のスロットルバルブ
が必要になりますから、絞り損失によって熱効率はディーゼルより低下する
ことが予想されます。まあ、圧縮比がディーゼルと同じに取れるので、ガソ
リン車より向上するとは思いますが。
後者は、燃焼そのものがディーゼルと同じ拡散燃焼となるので、熱効率は
ディーゼル同等が期待できます。
一方、排ガス性能ですが……
前者は理論混合比をちゃんとコントロールしてやれば、ガソリン車の3元
触媒が使えるんじゃないかと思います。軽油中の硫黄による触媒被毒も、軽
油の量が少ないので、寿命的にはだいぶ楽なんじゃないでしょうか。
後者は燃焼そのものが拡散燃焼になりますから、NOxが減るかどうかは
ちょっと疑問です(^^;。それから、CNGも混合気になっていませんので、
うまく火を回すためには、前者より使用する軽油の量を増やさなければなら
ないはずです(^^;。
あ、黒煙やSPM(浮遊粒子状物質)に関しては、どっちも良くなると思
います。前者のほうが「より良い」でしょうけど。
というわけで、都市部でディーゼル車の代わりにCNGディーゼルを使う
ことについては「大気汚染の改善効果は見込めるが、CO2排出量は増える
可能性がある」と言うことができるかと思います。
ただし、いずれにせよ路線バスだけCNGディーゼルに代わったところで、
大気汚染緩和やCO2排出量に与える影響は「誤差の範囲」程度しかないもの
と思われます(^^;。運悪くバスの後ろについちゃった人や、バス停近傍に住
む人にはいいかも知れませんが。
で、「CNGディーゼルが実用レベルかどうか」という話になりますと、
10月20日に行われた「ディーゼル車NO作戦公開討論会」で、「都バスの排
ガスが汚い」と指摘された東京都は「CNGディーゼルの開発をすすめてい
る。財政が厳しいが、頑張りたい」と答えたそうです(^^;。
ということは、「導入は始めているけどまだ試験的で、胸を張って『実用
化した』といえるレベルではない」ということのようです。
技術的なネックは何だろうなぁ。CNG噴射装置の潤滑性か、あるいは、
まだシステムそのものをどうするかが決まっていないのかも知れません。デ
ィーゼルそのものが、ここに来てコモンレールなんかの高圧噴射直噴技術が
出始めている状況なので、ディーゼルエンジンメーカーも他の燃料を混ぜて
使うところまで手が回らないという状況もあるようですし。
そんな状況ですから、これから開発費をかけて開発するくらいなら、いっ
そFCEVにスキップしてしまったほうが合理的なんじゃないかと思います(^^;。
路線バスだから運行管理はきちんとできますし、暖機性能も問題にならない
し、大阪や東京なら低温性能も-5度ぐらいまで保証できればOKでしょう。
ドイツじゃもう走っているていうし(*^^*)。
じゃ、CNGを活かす道はないのかというと、ガソリン車ベースのゴミ収
集車なんかいいんじゃないかと思います。走行ルートも距離もわかってます
から。
>>むしろシティコミューター
>>だと、ボンベをどこに置くかがネックになりそうですね(^_^;;。
ホンダの「不夜城」みたいにハイチェア型にして、お尻の下にでも入れま
しょうか(^-^;。車体を軽くして5km/lぐらい稼げれば、60リッタータンクで
も300km走れます。
給油も3分ぐらいで済みますから、電気自動車よりマシでしょ(=^^=;。
安藤 眞 (Ando Makoto) SDI01031
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