首都圏三環状道路計画を抜本的に再検討せよ
道路公害反対全国交流集会・特別決議


・自然環境フォーラム電子会議に登録された発言を、自然環境フォーラムが整形したものです。

- FENV  MES(13):●自然と環境 未来への海図23・北極海 -
#461   TCC00223  多摩夫            開発>道路>首都3環状道決議
(13)   99/11/08 22:12  012へのコメント


多摩夫(TCC00223)です。
 全国の道路公害反対住民運動団体の代表ら約200人が参加して、11月6日から
東京・八王子市で開催された「第25回道路公害反対運動全国交流集会(実行委員長
山田和也、事務局長標博重)高尾大会」で、7日、建設省と東京都が推進する首都圏
3大環状道路計画にかんして重要な特別決議が採択されました。
 以下のように建設省ならびに東京都の環状道路必要論を正面から批判しており、今
後の各事業の推移に大きな影響を与えるものといえます。
 なお、この<特別決議/首都圏三環状道路計画>は転載自由です。


<特別決議>首都圏三環状道路計画を抜本的に再検討せよ

 建設省と東京都はじめ首都圏各県はここ最近首都高速中央環状線、東京外郭環状道
 路(外環)、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)のいわゆる三環状の事業化促進の
 ため、マスコミ等を利用して大々的な世論対策を次々に打ち出している。
 また、建設省は平成12年度の重点施策としてで大都市圏環状道路…首都圏三環状
のほか中部圏の東海環状自動車道及び名古屋環状2号線、近畿圏の京奈和自動車
 道の整備促進を打ち出している。
  道路整備に伴う土地流動化(立ち退き)による経済波及効果は約1500haの
 土地取引が生じ、約6兆円と試算される。
  私どもは次の観点から建設省が力点を置くPI即ち国民参加のもとに抜本的な再
 検討を要求する。

1、道路公害裁判判決、新道路政策・新道路環境政策に基づいて抜本的に再検討せよ

  国道43号線、西淀川、川崎等の道路公害裁判判決において事業者である国は「
 予測可能性と回避可能性」に基づいて事業を事前に評価し、「回避」出来ない場合
 は建設すべきではないと述べている。この観点からの評価を行うべきである。
  また、平成9年6月の「今後の道路環境政策のあり方」中間答申において「早期
 段階で十分調査し、当該道路整備を行なわないことも選択肢に含めて検討する」と
 述べているが実行していない。
  さらに、平成10年11月の道路審議会答申「より良い沿道環境の実現に向けて
 」の基本理念…「経済・社会活動を支えている幹線道路の役割と沿道に居住する人
 々の生活環境の保全との両立」を図ることを確認している。
  しかし、三環状はこのような判決の意義や政策理念に立脚した計画ではない。新
 たな事態に即応して再検討することこそ建設省の新理念に即したものである。

2、三環状は新たな道路交通政策により不必要になる。

  23区に用のない通過交通が現在35万台/日というが、これは都内の内々、内
 外、外々の総交通量660万台/日の5%に過ぎない。東京圏では今後道路公害と
 渋滞を低減するためには自動車の総量規制が必要でありそのための公共交通等への
 転換を計りつつあり、その結果5%以上の交通量が削減されることは明白である。
 そうなればこの三環状は不要である。

3、三環状道路それぞれに必要性や環境に問題や矛盾がある。

 (1)中央環状新宿線はかえって都心に流入を誘導し、分散効果は期待できず、自動車
  総量を増加させることになり、逆効果である。また、沿道の山手通りの出入り口
  やインター周辺は「回避不可能な受忍の限度を超える」高度の道路公害にさらさ
  れることになり建設してはならない。

 (2)外郭環状線も沿道地域は既に都心並みに交通量の多い地域であり、中央環状と
  同様に分散機能を多くは期待できないし、却って流入を誘導することになる。
   さらに沿道の住宅街や商店街は膨大な立ち退き、まちこわし、環境破壊は回避
  不可能、両立不可能となる。たとえ地下方式にしても立ち退きとまちこわしは避
  けられず、インターや出入り口周辺は回避、両立不可能な道路公害にさらされる

 (3)圏央道の迂回効果は北関東や東海東部で事業化、計画されている高速道を利用
  する方が合理的である。また、圏央道の目的である業務核都市構想は破綻してお
  り、沿道は青梅・秋川の市街地、八王子北・高尾・秦野の自然、神奈川中央・横
  浜の市街地を通過する「回避・両立不可能」な公害道路となる。

 (4)三環状道路より現在の国道・都県道を整備せよ
   歩道や停車帯なし、右左折路線のない交差点等の国道・都県道が数多くある。
  高齢者社会を迎えるいま、安全で公害のない、渋滞解消の幹線道路整備が優先で
  ある

4、旧アセスはアセス法に適合していない。追加、修正が必要。

  三環状道路のうち中央環状、圏央道、外環埼玉・千葉・東京大泉は旧閣議アセス
 で環境影響評価を実施した。私たちはその時にアセスの不備を指摘したが無視され
 た。
  アセス法が制定され旧アセスの不備が以下の点で明白になった。

 (1)アセス法基本的事項において二酸化窒素等の予測及び評価の手法として削減計
  画等が達成されるものとしての予測評価はしてはならないとされている。三環状
  のアセスは削減計画が達成されるものとして予測評価した。

 (2)騒音の予測評価も旧アセスでは測定位置が地上1.2 mのみであったが、新環境
  基準では道路に面する全ての階で予測評価することとなった。

 (3)環境保全の措置については複数案の検討をすることとなった。

  以上のごとく三環状道路は追加、修正アセスが必要となった。また予測可能性・
  回避可能性の観点からも必要である。

5、三環状道路にパブリックインボルブメントはなかった。計画立案時の住民との
  パートナーップもなかった。
  平成9年道路審議会建議及び中間答申で公約した住民参加は三環状では住民から
 の問題提起には全く対応せず事業化を強行した。遡ってPI、パートナーシップの
 実行を要求する。

6、メリットだけを強調し、デメリットを示さないのは公正ではない。
  前述のように経済効果があると説明しているが、費用・損失については全く触れ
 ていない。これは公正を欠くものである。
  土地流動化とは強制立ち退きさせられた住民が立ち退き先で土地建物を購入した
 費用を経済効果と称しているものでこれは経済効果ではなく道路建設費用である。
 新道路環政策答申では道路用地費=立ち退き費用は費用として効果と比較考量して
 おり、これは行政内部での考え方の矛盾である。デメリットは算定も回復措置も検
 討されていない。

  以上三環状道路計画は多くの矛盾、欠陥をもっている。建設省の事業再評価方針
 からも再検討は必須である。早急な住民参加での再検討を要請する。
  以上決議する。

  1999年11月7日
  第25回道路公害反対運動全国交流集会高尾大会




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