九州川辺川ダム計画>全国集会の報告
メンバー執筆の参加レポートです
・自然環境フォーラム電子会議に登録された発言を、自然環境フォーラムが整形したものです。
- FENV MES(13):●自然と環境 未来への海図23・北極海 -
#415 EZE01752 けむ 開発>川辺川>9/25 全国集会報告
(13) 99/10/25 22:15 316へのコメント
「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」が発行するニュース
レター用にメンバーが書いた記事です。前もってこちらにアップし、集会のご
報告とお礼に代えさせていただきます。
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各地に大きな爪痕を残した台風18号が熊本を直撃した直後の9月25日(土)、
道路が寸断され、公共交通機関の利用もままならない中で「清流球磨川・川辺
川を守る全国集会〜漁民とともに日本一の尺アユを守ろう!」が開かれ、全国
から約 170名が会場であるカルチャーパレス(人吉市)に集まりました。この
シンポジウムは、タイトルの通り「ダム絶対反対」を掲げ建設省に一歩も譲ら
ない球磨川の漁民の方々を応援し、味・大きさ共に日本一の尺アユを守るため
にいろんな団体が協力して開催したものです。
集会では、実行委員長の鶴上氏による挨拶の後で、球磨川漁協組合長の高沢
氏が、台風の影響で自宅に電気も水道も来ていない中を駆けつけて下さり、現
在の球磨川漁協の状況も併せ「ダムは漁協にとって何のメリットもない。それ
がダム絶対反対の所以だ」と環境保全の必要性を説き、「漁協独自で今後の問
題に取り組んでいく」と発言されました。
川辺川ダム問題の現状説明の後で、水源連の嶋津暉之先生が「川辺川ダム計
画の科学的検討」ということで治水面で川辺川ダム計画を検討。川辺川ダムに
は特殊な「なべ底調節方式」が用いられ、ピークが二山・三山と来る場合には
ダムでは対応不可能なこと。想定以上の雨量でダムの容量を超えた場合、決壊
を避けるために洪水調節をやめると、放流量が急激に増えて下流で急激な水位
上昇が起きる点などを挙げて、ダムに頼る治水計画の危険性を解説。加えて、
建設省による基本高水流量の再検討。森林の保水力向上の根拠を示すと共に、
川床掘削と遊水池の併用による代替案の方が有効であることを強調。さらに
1965(昭40)年水害時の市房ダム操作法の検証が行われました。
続いて全国からこの日のために駆けつけてくれた仲間の紹介と、代表して
「ストップ・ザ・苫田ダムの会」代表で元代議士の矢山有作氏と、市民運動出
身で国立市長になられた上原公子さんから挨拶と励ましの言葉をいただき、会
場は活気づきました。これを受けて球磨川の漁民を代表して吉村勝徳さんが
「川が死ねば全て死ぬ。なんとしても川を守る」と発言し、市民にあたたかい
支援を求められました。
漁業権問題に詳しい熊本一規先生(明治学院大学)は「漁業権で球磨川水系
を守る」と題して講演。ダムを造る側の建設省よりも、川で漁を営んでいる漁
民の権利の方がはるかに強いことを重ねて強調。補償契約は漁協と結ぶわけで
はなく、漁民一人一人の同意が必要なので、同意書や委任状にサインしないと
建設省は絶対にダムを造れないとアドバイス。また、漁業権の強制収容は建設
省にはかえって不利で、あり得ないことをわかりやすく説明なさいました。
パネルディスカッションでは、三室勇氏(球磨川漁協理事・前組合長)が、
ダムに反対する理由として、球磨川に3つのダムができる前は5000万匹のアユ
が自然遡上していたのに、ダムができてからは300万匹以下になった例を挙
げ、命がけで行政と闘うことを表明。八代海を隔てて球磨川の対岸にあたる姫
戸町の漁師・浜崎氏(台風被害により急遽欠席)の代理として登壇された「天
草の自然を護る会」の吉崎氏は、八代海が如何に球磨川の恩恵にあずかってい
るかを実例を挙げて紹介。「球磨川は実質的に川辺川が支えている。川辺川が
死んだら八代海も死ぬ。川辺川が生き抜き、球磨川もいい川になり、昔の豊か
な八代海を取り戻したい」と発言。「細川内ダム絶対反対」の木頭村から参加
された高石氏(木頭村議会議長・前漁協組合長)は「漁協が川を守らなくてど
うする」と木頭村の事例を挙げ、建設省の話など聞く必要がないことを重ねて
強調されました。熊本先生は委任状に署名・捺印さえしなければ、建設省との
話し合いは関係ないと改めて漁業権の強大さを強調。河川沿岸の住民は決して
水害を恐れているわけではなく、既に伝統的に治水の方式が流域にあり、か
えって水害を楽しんでいたことを指摘し、今後はそういった方法を治水の基盤
に据えるべきだと発言。最後に三室氏が「本日の集会で元気づけられた。今後
も絶対反対を貫きたい。支援をお願いしたい」と述べられ、集会宣言で「ダム
本体工事の中止と事業の見直しを住民参加の下、建設省などの関係諸機関に要
求する」という決議が採択され、幕を閉じました。
この全国集会で、改めてダムに頼る治水対策の危険性や漁業権の重要性が明
らかになり、今後も球磨川漁民に対する支援の必要性を実感しました。
また、当日は台風の影響による交通渋滞や道路の寸断などで会場にたどり着
けなかったという声も多く聞かれました。中には十数時間かけて電車でやって
来られた方や、時間に間に合わなかった方などなど、本当に条件の悪い中での
みなさんのご参加とご協力に感謝致します。ありがとうございました。
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けむ @Kumamoto
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