この項目では、「吉野川河口堰建設計画」をめぐる開発関係の話題を扱います。この開発計画の内容についての検討や進行状況、反対運動の現状報告や意見交換などは、この項目でお願いします(一般的な内容になる場合や国全体の開発行政などに重点が置かれる話題については、別途「開発」の本体のリンクでお願いします)。
この「吉野川河口堰建設計画」(正確には「吉野川第十堰『改築』事業」)の問題は、簡単に説明すると次のようなものです。
(1)
吉野川第十堰『改築』事業計画とは、四国一の大河、徳島県吉野川の河口から約14kmにある第十堰(だいじゅうぜき、地元では「だいじゅうのせき」と呼ぶ)を撤去し、その下流1km付近に、あの長良川河口堰よりも大きな可動堰を作るという建設省の事業。主目的は治水。事業費は一千億円以上で、完成後の維持費は毎年7億円弱。
(2)
第十堰は江戸時代に築かれ、何度も改修されながら、今日まで 240年以上続いてきた歴史ある洗い堰。現在、堰の上面はコンクリート板やテトラポッドで覆われているが、その下には昔ながらの石積み構造が残る。吉野川、特に堰直下から河口にかけての汽水域は全国的にも屈指の多様な自然環境を持ち、これは水を濾過し水棲生物の往来を可能にする第十堰の基礎構造が貢献しているとも言われる。尚、「第十」とは所在地の旧地名で、「十番目」の意味ではない。
(3)
事業計画の正式名称は、老朽化した今の堰を修理するだけの印象を与える。しかし、その実体は第十堰の破壊、鉄製ゲートを持つ可動式の新堰建設に他ならない。建設省側は理由として、老朽化以外に、堰が川道に対し斜めである為に起こる深掘れ、増水時に堰が水位を押し上げ
150年に一度の洪水では堤防の計画高水位を42cm上回る事、などを上げている。
(4)
しかしながら、自然環境への打撃は勿論、建設理由には疑問点が多い、(文字通りの)現堰改修と堤防強化で諸問題には遥かに安く対応できる、などの点から、流域住民に限らず計画を疑問視する声は多い。その声を反映することなく、98年
7月、事業審議委員会は可動堰建設妥当の結論を下し、建設省も99年からアセスメントを開始する意向である。このような動きに対し地元では、計画の是非を問う住民投票を求め、市民運動が展開されている。
(5)
また、吉野川では可動堰問題以外にも、河口右岸にある沖洲(おきのす)海岸の第二期埋立、河口干潟付近への架橋などが計画されており、これらもまた、自然環境への影響が懸念されている。
※写真は第十堰と可動堰新設計画を扱った「まんが第十堰(600円+税)」の表紙。本書は書店ルートでは購入できません。本書の問い合わせは(株)あわわまで。電話番号0886-54-1111
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